すごいすと取材記

NPO法人あわじFANクラブ赤松清子 さん(58) 兵庫県

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そんな淡路島が引き寄せる移住者たちの数は、年々増加傾向にある。平成21年秋に相談窓口が開設されて以来、今年9月までの相談件数はのべ3,891件。そのうち移住者は150件、273人にのぼる。
「東日本大震災以来、みんなが食べることの重要性に気づいたんだと思います。淡路島は自給率の高さも魅力のひとつですから。『会いたい』『話を聞いてほしい』など、本気で移住を考える人が増えていると感じます。」と赤松さんは語る。
しかし赤松さんは、彼らに「田舎暮らしは甘くない。」とはっきり伝えるという。
「自分がここで何をしたいのかをしっかり持っていないと、移住は無理。みんな3年は苦労する覚悟で、オンリーワンになるんだという想いの芯を持って来ています。」

そんな赤松さんが関わる多くの移住者の中で、印象深い一組の家族。それが南あわじ市阿万(あま)地区に暮らす中村正臣さん・美和さん夫婦だ。
出会いのきっかけは、あわじFANクラブが主催した農業体験イベント。赤松さんに相談を重ね、住まい探しのアドバイスを受けながら淡路島に通うこと半年。住まいが決まり、ネットショップ経営から中村さん家族の淡路暮らしはスタートした。その後、食材の豊かさに感動した正臣さんは、実家の肉屋で評判だったコロッケを再現して販売しようと一念発起。移動販売や洲本市内への出店など、人気商品に育てている。
「中村さん夫婦は、折に触れて相談や報告に来てくれます。最初は『こんなことがしたいけどどうかな』など、不安そうにいろんなことを尋ねてこられてました。アクセサリーの販路の相談があった時は、農カフェ八十八屋で場を設定したり……。娘みたいな感覚でサポートしていました。最近は『こんなことを始めようと思う』と、話の内容が報告になってきて、成長してるなって思います。」
定住している移住者に共通しているのは、中村さん家族のように、臨機応変に変化してゆける柔軟さや「まだまだやりたいことがいっぱいある!」という行動力。さらに、今まで経験したことのない近所とのコミュニケーションや、雨漏りさえも楽しめてしまうおおらかさだという赤松さん。
「受ける相談も、困りごとより楽しい話が中心です。」とうれしそうに話す。

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