すごいすと取材記

企業組合氷上つたの会理事長秋山佐登子 さん(59) 兵庫県

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農業を守るために

旧春日町の兼業農家の家に生まれ育った秋山さん。大学進学や就職で都市部へ出る同級生は多かったが、「入試で必要な英語がどうにも苦手で」と地元に残り、家業を継ぐことに。丹波市農業委員会、JA丹波ひかみ女性会、丹波市食育推進会議委員会、兵庫丹波生活研究グループ連絡協議会など、若い頃から農業と食に関わることに数多く携わってきた。

そんな秋山さんの活動のルーツは、立ち上げから運営に関わった「丹波氷上産直センター」。

丹波氷上産直センターでの作業風景

丹波氷上産直センター。生産者が販売用の枝豆を預けにやってくる。

20年程前、農産物の販売方法と言えば農協販売が中心だった。規格外のものや無農薬野菜などは販路がなく、無料で近所に配るだけになっている生産者も多くいた。

手をかけて育てた作物が、売上として形になればやりがいにもなるはず。たとえ小さな仕事であっても、自分の働きが報われるような、そうした形を大切にしたいと、宅配やアンテナショップを通じて、生産者か消費者に直接販売できる「産直センター」の立ち上げに参画した。

「生産者のやりがいを守るのは丹波の農業を守ることにもつながる。それと、丹波のおいしいものを広く伝えることは、都会に出ず地元に残ったものの責任だとも思っている」と話す。

夫の正光さんとともに

産直センターの活動には夫の正光さんとともに関わる。公私共に支えあう二人だ。

そしてつたの会。70歳代の女性たちも多く活躍している。専業で農業や酪農に従事してきた人、定年退職を機会に声をかけられた人など、様々な経歴を持った人たちが、製造、事務、経理、広報とそれぞれに力を発揮している。

わいわい賑やかに作業できるこの場が楽しいと話す秋山さん。役職が務まるような器じゃない、本当は裏方で動くのが性に合うのだと言いながらも、メンバーたちの働く場を守るために腐心する。夏に売れない餅を季節限定にするなど、時には業務の整理も行った。「みんな誇りを持って作業にあたっている分、そうしたことをお願いするのは本当に心苦しかったけど、理解をしてもらった。」

理事長就任後、売上は一度落ち込んだものの、経営のスリム化もあり、平成24年度は収益を伸ばすことができた。時給も毎年少しずつではあるが増額している。

夫の正光さんとともに

神戸市内の商店街での販売風景。つたの会で開発された加工品と産直品が並ぶ。

今では、有名百貨店のおせち料理のカタログにも、つたの会の名前が並ぶ。

「作る人達がいいものをしっかり作ってくれる。もっと多くの人に丹波のおいしさを伝えられる新しい商品をどんどん開発していきたい」とこれからの展望を語った。

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