すごいすと取材記

認定NPO法人フードバンク関西浅葉めぐみ さん(71) 兵庫県神戸市

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門前払いを乗り越えて、築いた信頼

 

平成30年度、フードバンク関西が食品の提供を受けた企業・法人は84社にのぼる。そこから提供された201.5トンの食品の管理・分配を行っているのは、20代から70代のおよそ80人のボランティアメンバーだ。今でこそ、多くの提供企業を抱え、大量の食品を扱うフードバンク関西だが、立ち上げた当初は食品の提供を求めて企業へ交渉に出かけても、「寄付をすると、転売するんじゃないのか」と疑われ、門前払いも珍しくなかったという。
提供企業を増やすため、京阪神地区にあるおよそ200社の食品関連企業に、活動趣旨を説明する手づくりのパンフレットを郵送した。しかし、待てど暮らせど一社も振り向いてはくれない。やはりだめなのかと思い始めた半年後、海外から輸入した冷凍の鶏肉加工品を扱う企業から連絡が届いた。港での検疫のため開封され、商品価値のなくなった大量の鶏肉加工品を廃棄しているという。
「食品を捨てなくてはいけないことに、ずっと胸を痛めてきた。こんな活動があるのなら喜んで提供したい」と、連絡をくれたのだ。17年間の活動の中で、最も印象深い出来事だったと浅葉さんは振り返る。
その後、平成19年にフードバンク関西が認定NPO法人(*)として認定を受けたことで信用が高まり、企業側から提供を申し出るケースが増えていった。
「誰も食べ物を捨てたいわけではないんです。企業が果たすべき社会的責任や社会貢献としても、活かせる場があるのなら喜んで活動に参加したいという企業はたくさんあります。」
提供企業の増加に伴い取り扱う食品量も増え、分配先も少しずつ拡がりをみせていった。

 

*認定NPO法人:NPO法人のうち、活動・組織運営の適正さや公開されている情報の多さなど、公益性において一定の基準を満たしていると所轄庁が認めた法人のこと。

 

届いた食品の管理・分配を行うボランティアメンバー。

届いた食品の管理・分配を行うボランティアメンバー。

 

「子ども元気ネットワーク」の支援として、送る食糧の箱詰め作業。

「子ども元気ネットワーク」の支援として、送る食糧の箱詰め作業。

 

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