すごいすと取材記

株式会社 香寺ハーブ・ガーデン福岡讓一 さん(58) 兵庫県

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夢前川の清流沿いにひろがる夢前町山之内地区。平均年齢82.5歳の小規模集落だ。福岡さんは、この地区で廃校になった小学校をハーブ抽出・研究施設として利用。また休耕田およそ2ヘクタールにカモミールを栽培し、摘み取り時期にはボランティアを募集。広島や名古屋といった県外も含め、今年は3日間で210名もの人々が参加するなど、ハーブ栽培と商品化で地域の活性化を行っている。

夢前工場での製造風景

山之内地区で栽培したカモミールを使用した商品

だが福岡さんの目標は、ただの観光地として人を呼ぶだけのものではない。「未病」「健康」「研究」といったキーワードが並ぶ「山之内地区博物館(西の軽井沢)構想」がそれだ。
そのひとつが、食べることで病気を治す地域づくりとして、10月23日にオープンする農家レストランと農産物直売所。シェフ自らがハーブを植え、地元農家のみなさんが無農薬野菜を提供。神戸大学医学部と提携し、一人一人に合った治療食を出す。
「疲れた人を山之内地区へ呼び、ストレス解消の食事や適度な運動、ヨガや瞑想、土に触れることによる心の栄養を提供したい。健康になって帰ってもらう湯治場をつくりたいんです」
「山之内セラピー」と名付けた温泉療法の基地として、大手旅行会社が企画するツーリズム構想への参入もめざしている。


神戸大の学生や山之内地区の方々、企業と研究を進めていく福岡さん。

その他、ロッククライミングやサイクリングといったスポーツの愛好家がやって来る特性を活かし、クロスカントリーコースの設置や宿泊バンガローの建設を中心としたアスリートのための合宿地づくり。さらには、企業の最先端研究所を招致しての近未来型農業研究も構想中。
「観光と最先端研究所が融合できれば、若い人が山之内に帰って来て就職できます。雇用も生みだす新たな地域おこしの形として、地区を引っ張ってゆきたい」と福岡さんは語る。

香寺ハーブ・ガーデン内では香寺の野菜が購入できる直営所もあり、香寺ブランドの野菜の育成にも取り組んでいる。

こうして福岡さんが懸命に取組む背景にあるもの。それは「目の前で困っている人を一人でも救いたい」という想い。その想いと、これこそが香寺ハーブ・ガーデンのなすべき仕事なのだと決意を固めるきっかけとなる出会いがあった。

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