すごいすと取材記

もっと多くの障害者ランナーをマラソン大会へ!
多様な人たちが共に生きる社会の実現を目指す
宝塚市・林 優子さんの“伴走”

認定NPO法人 ぽっかぽかランナーズ 林 優子 さん(61) 兵庫県宝塚市

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一緒に走ることが、共に生きることにつながる「共生マラソン大会」

 

林さんは「誰もがゴールでき、いろいろな人が楽しめる大会」の開催に向け、準備を始めました。初めての経験に不安を抱える中、「障害者が参加できるマラソン大会を開催したいので学ばせてほしい」と申し出てくれた、NPO法人日本ライフロングスポーツ協会(*)の協力を受け、令和2年2月24日、第1回ぽっかぽか共生マラソン大会が開催されました。

当日の参加者は、3才から72才までのランナー157名、伴走ランナーは49名、スタッフボランティア56名。制限時間を設けず走った周数をゴール目標にし、一般参加者も障害者ランナーも、それぞれの目標に向かい気軽に参加できる大会が実現したのです。
「ゴール後に、障害者ランナーと伴走ランナーたちが円陣を組み、満面の笑顔で喜んでいる姿や、保護者の方が涙している様子に、私もこみ上げるものがありました。」と林さんは言います。

今回の共生マラソン大会のアンケートには、「共生の意味が分かった」という声が最も多く寄せられました。
「往復コースなので、走っている障害者と何回も行き違います。足こぎ車イスの人や視覚障害者、知的障害者など、いろいろな人が笑顔で走っている姿と向き合い、応援し合えたことで、共に生きることの意味が分かったという方が多かったんです。」
ボランティアとして参加してくれた地域の人たちの、「寒いのではないか、退屈なのではないかと思っていたけれど、応援することがとても楽しかった。また参加したい」との言葉に、林さんは地域とのつながりが生まれ始めたことを実感しました。

第2回大会は令和3年2月7日に開催が予定され、今回は中学生・高校生の部が設けられています。障害者との交流機会を持つことで、子どもたちにも共生について考えるきっかけにしてほしいからです。
また、障害者がマラソン大会に参加するには障害者の着替え用テントが必要だと知ってもらうことを、一つの目標にしています。共生マラソン大会をそのアピールの場にしたいと、林さんは言います。
こうした活動に取り組む中で、林さん自身にも変化がありました。
「聖憲よりずっと軽い障害を持ったお子さんを目にした時に、あんなに軽いのになぜ悩んでいるんだろうという気持ちが心の奥底にありました。でも、いろいろな障害を持った人がどう生きてこられたのかを知るにつれ、障害の重さ・軽さは、それぞれの人の受け取れる許容量によって違うことに気づき、一人ひとりの悩みに共感できるようになりました。この活動で、私自身が育ててもらったんです。」

 

*NPO法人日本ライフロングスポーツ協会:誰もが、いつでも、どこでも気軽に参加できる生涯スポーツを通じ、健康で豊かな社会づくりを目指した活動を行っている。

 

「第1回ぽっかぽか共生マラソン大会」の集合写真

「第1回ぽっかぽか共生マラソン大会」の集合写真

 

ゴール後には、障害者ランナーと伴走ランナーたちが円陣を組んで喜んだ

ゴール後には、障害者ランナーと伴走ランナーたちが円陣を組んで喜んだ

マラソン初挑戦の子どもたち

マラソン初挑戦の子どもたち

 

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