すごいすと取材記

もっと多くの障害者ランナーをマラソン大会へ!
多様な人たちが共に生きる社会の実現を目指す
宝塚市・林 優子さんの“伴走”

認定NPO法人 ぽっかぽかランナーズ 林 優子 さん(61) 兵庫県宝塚市

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あらゆる違いを認め合い、受け入れ合える社会を目指して

 

ぽっかぽかランナーズの運営にあたり、林さんが「一人でも多くの人に役立てたい」と語る背景には、聖憲さんの幼少期の経験がありました。
聖憲さんが小学生の頃、友だちが一緒に遊ぶ際に「今日のきよくんルール」を作ってくれていました。例えば、走り回って遊ぶ鬼ごっこでは、「きよくんが鬼の役になったら、みんなは走らずに歩くこと」という約束です。このおかげで、聖憲さんも鬼の役を務めることができました。

「重度の障害者をお客様のようにただ大切に扱うのではなく、どうしたらみんなで一緒に楽しめるかを、当たり前のように考えてくれることが嬉しかった。」と林さんは言います。「聖憲君がいてくれたおかげで、子どもがとても成長させてもらった、ありがとう」と、お母さんたちに感謝をされることもありました。
「一緒に遊んだ友だちの中には、福祉関係の仕事に就いた人もいます。聖憲の存在が社会の役に立てるんだと感じられ、これもボランティア活動になっているんだと思えました。ぽっかぽかランナーズでは、障害のある人もボランティアメンバーです。障害者がどのように支えられているのかを見てもらうことが、共生社会の啓発につながるからです。障害者の笑顔をホームページで見てもらうことも、伴走者を必要とすることが伴走ランナーの育成につながっていることも、すべてボランティア活動なんです。」
ぽっかぽか共生マラソンの名前から、「共生」の文字を取り払える社会にすることが目標と語る林さん。

「すべてのマラソン大会で、障害者ランナーと伴走ランナーのマッチングや、障害者の着替え用テントの設置が標準化されてほしい。そのための道しるべとして、ぽっかぽか共生マラソン大会を開催し続けようと思っています。」
障害をはじめとするあらゆる違いを受け入れ、一緒に楽しく生きられる共生社会を目指し、林さんの伴走はこれからも続きます。

 

伴走ランナーに支えられながら走る障害者ランナー

伴走ランナーに支えられながら走る障害者ランナー

 

互いに応援し合うランナー達

互いに応援し合うランナー達

 

林 優子さんの座右の銘来る者拒まず、去る者追わず

座右の銘

ぽっかぽかランナーズのモットーは「入会したい人を絶対に断らない」ことです。
「障害と病気を理由に、スイミングやリトミックなど習いたかったことを何度も断られ、そのたびに悲しい思いをしてきました。障害のある人に同じ思いをさせたくない。できることを一緒にしましょうと言いたいんです。どうしても無理だと判断された時は、ご縁がなかったと引き留めません。でも、走る練習ができなくて、他の人に迷惑をかけるからやめるという保護者の方には、今はこの場にいることを目標にしましょうとお話しします。」
走ることが難しかった子どもたちが、完走できるようになった時は本当にうれしいと言う林さん。
「あの時、辞めなくてよかったねと言えるように、どうすればいいかをみんなで考えようと話します。子どもたちの人生は先が長いものです。親があきらめてここまでだと線を引き、子どもたちの伸びていく力の芽を摘んでしまわないよう、ぽっかぽかランナーズでサポートを続けたいんです。」

 

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