すごいすと取材記

株式会社エーデルワイス 代表取締役会長比屋根毅 さん(77) 兵庫県

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エーデルワイスの船出

昭和32年、20歳の時に尼崎の製菓会社に転職した比屋根さん。このまちに根を下ろして今年で57年になる。その間、「たくさんの人に幸せを届けたい」と、お菓子を作り続けてきた。

写真:製菓会社の仲間たちと集合写真

17歳から20歳まで勤めた大阪の製菓会社の仲間たちと。右端が比屋根さん

「尼崎の人は、着るものは構わないが、食べるものにはこだわりがあって、洋菓子も良い物から売れていく。エーデルワイスは、美味しいものを知っている尼崎の人たちに支えられてきた」と振り返る。

一度は店を畳むことを決意した比屋根さん。店頭には「お世話になりました」と貼紙を出し、最後に残った材料で作ったお菓子を、無料で近所に配り歩いた。

ところがその翌朝、閉め切った店のシャッターをたたく人たちが現れる。配ったお菓子の一つ一つにつけた手書きの住所を見て、客が次々にやってきたのだった。中には「昨日と同じお菓子を」と買いに来る人たちもいた。

「あの時、シャッターをたたいてくれた近所のクリーニング屋の奥さんの顔は、今でも忘れない」

再び「店を続けよう」という気持ちを取り戻した比屋根さん。次第に地域にその味が知れ渡り、店が息を吹き返した後も、デコレーションが崩れにくい生クリームなどの研究に没頭した。

創業の翌年には念願の渡仏を果たし、パリで基礎から技術を学び直した。その間に得られた人脈やお菓子作りの精神は帰国後の新しい商品開発にも大いに活かされ、たくさんの人々の心をとらえたエーデルワイスは、現在の大企業へと成長を果たした。

写真:初代エーデルワイスの店舗写真

28歳の時、立花商店街のはずれにオープンしたエーデルワイス1号店。
比屋根さんの右は当時4歳の長男祥行さん(現・エーデルワイス社長)

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