すごいすと取材記

神戸女学院大学教授井上紀子 さん(64) 兵庫県

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生きている今を大切に

初めての妊娠は、8カ月で死産。この経験が「命の出発点」と井上さんはいう。

「妊娠前に1メートル跳んでいた自分なら、30センチだったら大丈夫と思ったんですね。反省しています」

人生の多くをスポーツ中心に送ってきた過信があった。妊婦にも「適度な運動」が必要といわれるが、「適度」という日本語の難しさを痛感した。

1年半後に産まれた息子には「この出来事があったからあなたがここにいる」と、その3年後に生を受けた息子には「この出来事がなかったら3人目のあなたはいなかった」と話した。学生に対しても同じように、命の尊さを説く。

井上さんは「体育学」とともに「女性学」を担当している。女性の生き方が多様になり選択肢も増えたが、自分の体や妊娠のことなどについて、情報を正しく読み取っている学生は多いとは言えない。望まぬ妊娠をし、悩みを胸に抱えたまま大きな代償を払う学生もいるという。井上さんは「億という精子の中の一つと一万個近い数の中の卵子が出逢って産まれたのは奇跡。もっと自分を大切にしてほしい」と学生たちに伝える。

「あの時あの声をかけておいたらよかったと後悔したくない」

「テレビを見ながらでもできる運動よ」と井上さん。

「テレビを見ながらでもできる運動よ」と井上さん。
「60歳を超えた先生の方が元気なので、がんばらないと!と思う」と学生たちも腹筋をふるわせる。

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