すごいすと取材記

シンガーソングライター、防災士石田裕之 さん(39) 兵庫県神戸市

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音楽が命に繋がっている

 

命に繋がっているもの――。音楽を、石田さんはそう表現する。音を奏(かな)で、歌詞をつむぐことの喜びと共に、生きることの大切さを伝えていきたいと語る。
「自分にとって音楽とは、幸せのために欠かせないものです。じゃあ幸せって何だろうって突き詰めると、生きていることだと思うんです。音楽に取り組んでいる最中にも、生きていられない状況がひたひたと迫っているとしたら、それを見ていないことにして音楽だけを楽しむなんて、自分にはできませんでした。ずっと歌っていたいからこそ、自分が大切に思っている災害への備えを伝えたい、ただそれだけです。音楽と防災って水と油のように思われがちですが、例えば『愛している』『楽しい』『幸せ』って歌う音楽も、大切な人に『生きていてほしい』『生きていたい』と伝える防災も同じメッセージ。生きるという意味において、同じように大切なものです。」
その一方で、日々自らの無力さも感じるという。
「もしも今日、南海トラフ地震が起きたら、今取り組んでいることを伝えきれずに、また多くの人が犠牲になってしまう。防災メッセージをもっと多くの人に伝えられさえすれば、助けられるかもしれない。音楽でそれができると信じつつも、まだ実現できていない自分の至らなさに、今この瞬間も泣きそうになります。人を愛したり幸せを感じたりする当たり前の行動の一つとして、災害に備えることを語り合えるよう、防災の大切さを楽しく音楽で分かち合う活動をもっと広めたいんです。」
そのために石田さんには、ずっと大切にしている想いがある。

 

訪問した各地で寄せ書きが集まるフラッグ。書き込まれたみんなの想いを言葉で繋ぎ、新たな曲を制作中。スマトラ沖地震の被災地、インドネシア・シムル島で受け取ったメッセージもある。

訪問した各地で寄せ書きが集まるフラッグ。書き込まれたみんなの想いを言葉で繋ぎ、新たな曲を制作中。スマトラ沖地震の被災地、インドネシア・シムル島で受け取ったメッセージもある。

 

いざという時に本当に役立つ、アクセサリー感覚の防災グッズも手がけている。一見、リストバンドに見える写真の商品は、居場所を知らせ助けを呼ぶための笛。

いざという時に本当に役立つ、アクセサリー感覚の防災グッズも手がけている。一見、リストバンドに見える写真の商品は、居場所を知らせ助けを呼ぶための笛。

 

 

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