すごいすと取材記

株式会社御影屋柿木貴智 さん(46) 兵庫県

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230年の時を埋めた、職人の技と心意気

「神戸大学の海事博物館に特別にご協力いただき、展示されていた生地から、野口教授に織の組織(構成)や糸の太さを調べていただきました。」
調べを進めるにつれ難題が次々に現れた。現代の規格には存在しない糸であること。経糸(縦糸)と緯糸(横糸)の太さや本数が異なるという独特の構造。極厚な生地のため、織れる織機も限られている。当時の帆布を復元するには、現代の工程に様々な工夫と、職人ならではの技術を活かすことが必要だった。
「西脇市の地場産業である播州織の職人『土田織布(多可郡多可町)』土田さんのお世話になりました。『やってあげよう』と挑戦してくださった土田さんの心意気と技術がなければ、松右衛門帆は復元できていません。」
230年の時を越え、日本最古の帆布に宿った新たな命。研究者の知識、職人の技術と心意気、そして柿木さんの熱い想いで、松右衛門帆は復活を遂げた。

播州織職人の土田さんの工房での松右衛門帆復元作業

播州織職人の土田さんの工房での松右衛門帆復元作業

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