すごいすと取材記

株式会社御影屋柿木貴智 さん(46) 兵庫県

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出会い

「神がかっていると自分で思うくらい、すごいタイミングでやってきます。」
そう柿木さんが驚くほど、松右衛門帆の復元プロジェクトは、数々の出会いに支えられ導かれてここまでやってきた。
「行き詰った時、何かが足りないという時、必ず必要な人が現れたり誰かがサポートしてくれる。」
播州織職人の土田さんとの出会いがなければ、松右衛門帆の復元はなかった。生地を100%社内で生産できるようになったのも、「無理だ」と言われながら、一年で製織の技術者になった若いスタッフがいてくれたから。ネットショップ開設時には、数年ぶりにばったりと出会った知人が助っ人を紹介してくれた。縫製会社を探していた時も「おもしろそうだ」と大手企業が連絡をくれた。こんな偶然が、柿木さんには数限りなく起っている。
「NPOや青年会議所のメンバーとの出会いもそのひとつです。廃墟だった今の事務所を、半年かかって自分たちで整えました。それほど親しくなかった人たちまで、仕事が終わってから夜な夜なやってきて『何かすることないか?』って、朝まで手伝ってくれるんです。壁を立ち上げ、天井や床を貼り、電気を整え……。感謝しかなかったです。」

高砂青年会議所メンバーや友だちの協力で作業を進めた事務所の改装

高砂青年会議所メンバーや友だちの協力で作業を進めた事務所の改装

現在の事業所の外観

現在の事業所の外観

今、高砂市内では、まちを盛り上げるため、市内各地の団体が万灯祭、花火、バルをはじめ趣向を凝らした活動を続けている。それらのイベントを通じ、人をつないで出会いを生み、育て、継続することで、まちの新しい魅力をつくろうとしているのだ。
「兵庫の帆布から日本の帆布へ、松右衛門帆が育ち有名になれば、高砂市にも注目が集まります。みんなで一緒に高砂市を活性化させるモデルケースをつくりたい。」
「でもね」と最後に柿木さんが、つぶやいた。
「若いスタッフが、松右衛門帆を織っているのが悔しいんです。僕も織職人になりたい!」
柿木さんにもうひとつ、新しい「意地」が生まれていた。

(公開日:H29.10.25)

(公開日:H29.10.25)

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