すごいすと取材記

神戸大学大学院岸本吉弘 さん(48) 兵庫県

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「アートによって地域は変えられる」

2008年に神戸長田文化賞を受賞した際、作品を展示しても人が集まって来ない現状を目の当たりにした岸本さん。
「当時は阪神・淡路大震災のダメージも大きく、街を離れてゆく人も多かったんです。生まれ育った地域への恩返しとして、アートの力で街を活性化できないか。アートで元気を補いたいという思いは強いです。」
そんな故郷・長田の街に今、少しずつアーティストが住み始めている。中心地にあるダンス系NPO法人にダンス留学にやって来た学生たちが、地元に住みながらレッスンを受けていたり、倉庫や空き店舗をスタジオやアトリエとして利用する芸術家たちも増えているという。

翌年の開催に向け、下町芸術祭実行委員会議が行われた

神戸市内で最も空き家率が高いといわれる長田区(*)だが、アーティストが集まると空き家の再利用が可能になり、街全体の雰囲気も変わる。今は点でしかないコミュニティも、いずれは線、面に拡張してゆくはず。それも、地域に芸術や芸術祭が根付く意義のひとつだと語る岸本さん。
人と人との距離が近く、絡み合わずにはいられない人情味。カッコをつけず作品の意図が「わからない!」と言える正直さ。そんな下町・長田に「アーティストにやさしい街」という新たな顔が生まれることが、これからの街づくりにつながってゆくと話す。
(*)神戸市住生活基本計画統計データ 平成25年住宅・土地統計調査より

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