すごいすと取材記

神戸大学農学研究科地域連携センター 特命助教清野未恵子 さん(35) 兵庫県

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獣害対策に取り組む

 今、篠山市が直面している大きな問題の一つに「獣害」があげられる。牡丹鍋で有名な篠山であるが、イノシシよりサルの被害が深刻化している。サルの摂食に関する研究をしていた清野さんは、積極的に獣害対策活動を展開している。

 サルの被害に悩まされている篠山市畑地区では、サルを追い払う策として「さる×はた合戦」を開催した。もともと、農村を悩ます獣害に関心を持ってもらおうと、畑地区で実習を受けていた神戸大生が2年前に始めたこのイベント。昨年は住民が主催し、大学生が協力して行われた。サルは、一度餌を採った場所に何度も来る習性がある。この習性を断ち切り、山での生活に戻すために、サルに食べられる前に柿を収穫する。「何か手伝いたい」という都市部に住む人、獣害を知らない篠山の人たちにも手伝ってもらい、柿を持ち帰ってもらう。一緒に柿狩りを楽しみ、交流を深めながら、中山間地域の人が獣害を食い止めていることを知ってもらう良い機会になっている。

屋根の上に子どもを抱いたサルが出没

屋根の上に子どもを抱いたサルが出没

 清野さんは、篠山市の被害対策支援チームのメンバーとして、日本国内の被害対策を牽引するNPO法人 里地里山問題研究所代表理事の鈴木克哉さん(農水省農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー・篠山市獣害に強い集落づくり支援隊)とともに、他所に先んじて社会実験的な対策に取り組んでいる。

 サルを捕獲するのではなく、追い払うことにより、ある程度の個体数を維持することで、「野生動物と共生してきた昔ながらの農村の姿を守っていきたい」

 こうした考えのもと、篠山市では、サルを追い払うために、電気柵設置のハード整備とともに、サルの位置情報をメール配信し、追い払いに備える体制を整えるソフト整備を両輪とした対策が進められている。監視員の雇用、電動ガンや追い払い花火の無料配布など、追い払いの具体的支援を行っている。

 昨年度からは篠山市農都創造政策官に就任し、獣害対策に加え、地域づくりを含めた篠山市の農都づくり全般にわたって関わっている清野さん。現在、週5日はフィールドステーション、2日は篠山市役所に勤務する。

 「大好きな篠山の魅力を伸ばし、市民、職員のみなさんと一緒に篠山市をもっと盛り上げたい」

篠山市火打岩地区の畑さん夫妻と鈴木さん(右)

篠山市火打岩地区の畑さん夫妻と鈴木さん(右)。
サルの被害の連絡を受けると、鈴木さんとともに駆けつけている。

サルを追い払うための七つ道具

サルを追い払うための七つ道具。机上にあるのは、サルを追い払うための電動ガン。
弾は自然に還る性質のもの。清野さんが手にしているのは、農家手作りの5連発花火

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