すごいすと取材記

小林林産 代表小林温 さん(62) 兵庫県

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家族による山林経営の始まり

ところが、台風による倒木処理に頭を抱えていた頃、大学生だった次男の亮さんが不意に手伝いを申し出てきたことで、それまでの悪い流れに変化の兆しが見え始めた。

亮さんが自分の将来についていろいろと模索していたことを初めて知った小林さんは、何度も話し合った結果、大学を辞めて山で働くことを認めた。

「ありがたいという気持ちの反面、親として複雑な思いもあった」という小林さんだが、そのおかげで台風被害の後始末に集中できた。同じような被害を受けた山仲間たちと共に、地元の木材市場から借金をして共同購入した高性能の林業機械をフル稼働させ、倒木の処理に奔走した。2年半後には借金も完済することができ、最大のピンチを乗り切った。

 

亮さんという後継者を得てから4年後、またも新たな働き手がやって来た。亮さんが結婚し、その妻の恵さんが山の手伝いをするようになったのだ。

結婚するまで林業とは縁のなかった恵さんも、今では複雑な操作が必要な高性能機械の運転を担当している。体力的に厳しい上、冬は寒く夏は暑い山仕事だが、「私の定位置は冷暖房完備だから大丈夫」と屈託なく笑う。

近頃では「林業女子」という言葉が生まれるほど、林業に興味を持つ女性の存在が注目されるようになった。その先駆けとして過去何度かメディアに取り上げられたこともあった恵さんだが、山での仕事については「夫に怒られないようにやるだけ」と謙虚に話す。

3人態勢になって5年が経った現在、恵さんはもはや小林林産にとり欠かせない存在になっている。

写真:林業用機械(ウインチ付きグラップル)に乗り込み操作する恵さん

小林恵さん。高性能機械の操作もお手の物

写真:家族3人の集合写真

小林さんが理想とする家族での山仕事も10年目に入った。

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