すごいすと取材記

丹波の鹿肉から生まれた
地産地消のまちづくりへの想い。
地域の誇りと生きる力を育む活動で
夢の実現を目指す、鴻谷佳彦さんの“継続”

無鹿リゾートオーナーシェフ 鴻谷佳彦 さん(43) 兵庫県丹波市

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「鹿肉って、こんなに柔らかくておいしいのかと驚きました。ジビエ(天然の食肉)ならではの肉のにおいや硬さのイメージが、根底から覆りました。」
初めて鹿肉を口にした時の衝撃を語る鴻谷さん。
「鹿肉を食べたきっかけは、弊社が運営を受託した施設に、兵庫県森林動物研究センター(*)を訪れた研究者が宿泊し、私に鹿肉の試食を勧めてくれたことでした。ぜひ、このおいしさを広めたいと思いました。」

当時、丹波市では鹿による農作物の食害被害が深刻化。獣害対策として捕獲した鹿の肉を食用に活用するための解体施設も設立され、上質な鹿肉が手に入るようになっていました。
鹿肉のおいしい食べ方を研究するため、一年間、毎日鹿肉を調理して食べ続けた鴻谷さん。考案した1000種類のレシピをもとに、平成22年、丹波市に日本初の鹿肉料理専門店をオープンすると、自治体などから鹿肉の料理方法を教えてほしいと依頼が届くようになりました。
「鹿肉の消費量を増やすため、教室では鹿肉を使った家庭料理を教えていました。」

そんなある日、鴻谷さんのもとに関東のレストランから大量の鹿肉料理のオーダーが入りました。しかし鹿肉が足りず、希望に応えることができなかったのです。
「野生の鹿は家畜ではないので、害獣だからと言って肉が余っているわけではない。ヨーロッパではノーベル賞授賞式の料理に使われるほど、鹿肉は天然の高級食材です。いわば、晴れの席でふるまわれる天然の鯛のようなもの。余っている肉を消費するために食べるものではなかったことに気づきました。」
鴻谷さんは、レシピを100種類に厳選。料理レシピのコミュニティウェブサイトに丹波市の公式ページとして配信し、特産品として鹿肉をアピールしています。
そんな鴻谷さんのもとに、県内をはじめ県外の大学からも料理教室の依頼が届くようになりました。

 

*兵庫県森林動物研究センター:人と野生動物と森林等の自然環境との調和のとれた共存を目指し、科学的、計画的な野生動物の保全と管理(ワイルドライフ・マネジメント)を推進するために必要な科学的知見と情報を提供する兵庫県の施設。

 

鴻谷さんが運営する「無鹿リゾート」

鴻谷さんが運営する「無鹿リゾート」

 

「無鹿リゾート」の店内

「無鹿リゾート」の店内

 

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