すごいすと取材記

丹波の鹿肉から生まれた
地産地消のまちづくりへの想い。
地域の誇りと生きる力を育む活動で
夢の実現を目指す、鴻谷佳彦さんの“継続”

無鹿リゾートオーナーシェフ 鴻谷佳彦 さん(43) 兵庫県丹波市

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命をいただく意味を伝える、料理教室や学校給食

 

大学での講義を通じ、鴻谷さんが学生たちに伝えているのは、命の大切さです。 「害獣として捕獲した鹿であっても、食べ物として粗末に扱ってはいけないと伝えています。鹿肉はおいしくないというイメージを持つ学生も多いのですが、おいしいことがわかると興味を持ってくれるため、命の大切さが伝わりやすくなります。家畜である牛や豚は食材として育てられているイメージがあるため、食べることが当たり前になりすぎています。野生の鹿肉を食べるのは、生きている命という視点から考える大切な機会。命を無駄なくいただくことは、動物に対しての礼儀だという話も理解してもらいやすくなります。」
そんな想いを子どもたちにも伝えようと、鴻谷さんは小学校の学校給食に鹿肉を取り入れてもらえるよう提案。給食メニューの考案に関わる人たちを対象に鹿肉の料理教室を開いたり、兵庫県森林動物研究センターの研究員に獣害の現状を説明してもらうなど、鹿肉を食べる意味を伝え、理解を求める活動を続けた結果、4年後にようやく給食メニュー化が実現したのです。

「小学校側でも授業に取り上げたり、家庭にプリントを配布したり協力してくださいました。地産地消の食材として、また丹波の特産品として、鹿肉を食べる背景や命への想いが伝わると、保護者の方々も喜んでくれました。学校給食が、命を無駄にしないというメッセージを込めた授業になったんです。」
その後、こうした取組が地産地消を広める活動として認められ、平成23年に農林水産省が選定する「地産地消の仕事人(*)」に選ばれた鴻谷さんは、6次産業化への関心を深めていきました。
「地産地消に成功している地域を見学したり研修を受けるうち、地産地消を推進するだけでは地域の活性化につながらないことに気づきました。例えば、今まで農作物を作って出荷するだけだった農業者も、こだわりという付加価値を生産物に加え、自分たちの手で販売までプロデュースする流れを作らなければ、第1次産業のような生産に携わる人たちは疲弊する一方だと感じたんです。」
鴻谷さんは「食の6次産業化プロデューサー(*)」の検定試験を受け、プロフェッショナルレベルであるレベル5に極めて近いレベル4に認定され、活動の場をいっそう広げていきました。

 

*地産地消の仕事人:地域の農産物の生産・流通・販売・加工・その他地産地消の取り組みに関する知見や経験を有する人。都道府県等からの推薦に基づき、農林水産省が選定する。

 

*食の6次産業化プロデューサー:生産(1次産業)、加工(2次産業)、流通・販売・サービス(3次産業)の一体化や連携により、地域の農林水産物を活用した加工品の開発、消費者への直接販売、レストランの展開など、食分野で新たなビジネスを創出するための職能レベルが認定される。

 

鴻谷さんが考案した鹿肉料理

鴻谷さんが考案した鹿肉料理

 

鹿肉の料理教室の様子

鹿肉の料理教室の様子

 

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