すごいすと取材記

丹波の鹿肉から生まれた
地産地消のまちづくりへの想い。
地域の誇りと生きる力を育む活動で
夢の実現を目指す、鴻谷佳彦さんの“継続”

無鹿リゾートオーナーシェフ 鴻谷佳彦 さん(43) 兵庫県丹波市

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「やめない」選択を積み重ね、丹波を地産地消のまちに育てたい

 

様々な活動に取り組む鴻谷さんがもっとも大切にしていることは、続けることだと言います。
「高校卒業後に就職した料亭で周囲のレベルの高さを知り、一気に自分の調理技術の自信を無くしました。日々失敗しては怒られ、毎日辞めたいと思っていました。」
周囲の人たちに励まされながら5年間の修行を終え、地元で料理人として働き始めた鴻谷さんでしたが、Uターンから4年が過ぎた頃、大きな病に襲われました。
「医師からは、料理の仕事を辞めなさいと言われたんです。仕事を続けることをあきらめかけた時、相談した知人が『辞める前に悪あがきをしてみては』とアドバイスをくれたことで、とにかく辞めずに続けてみようと気持ちを切り替えることができました。あきらめなかったことで、宿泊施設の指定管理を受託し、鹿肉に出会い、料理教室や学校の講師を頼まれるようになりました。さらに食の6次産業化プロデューサーというキャリアにも巡り合いました。岐路に立ちながらも辞めずに続けたからこそ、すべての経験を無駄にすることなく活かせているんです」と鴻谷さんは言葉に力を込めます。

これから鴻谷さんが目指すのは、自らが中心となって取り組んできた「点」としての活動や考え方を、多くの人と共有し「面」に広げることです。
「丹波を、地産地消が強みだと言える地域に育てることが目標です。食の6次産業化プロデューサーの活動を通じ、鹿肉をはじめ地元の食材で丹波に人を呼べる商品を開発すると同時に、商品化に気づくための考え方を広げたい。そうした人材を育てるために、私はこれからも高校生たちに伝えていきたいと思っています。」
地域に意識を向けるきっかけは、野菜ひとつを手にすることから。それが自分の地域を誇りに思うことにつながると信じ、鴻谷さんは活動に取り組み続けます。

 

鹿肉を調理する鴻谷さん

鹿肉を調理する鴻谷さん

 

「高校生に生き方の幅を広げて欲しい。」との思いを込めて、授業を行っている

「高校生に生き方の幅を広げて欲しい。」との思いを込めて、授業を行っている

 

鴻谷 佳彦さんの座右の銘継続は力なり

座右の銘

同じ食材を使い、同じ料理を作っても、その人にしか出せない味や風味があります。修業時代、「この人にはかなわない」と思った仲間が同じ職場にいたことで、「この仕事は自分に向いていないのでは」と、あきらめそうになった時期があったんです。Uターン後には体調を崩して仕事を辞めようかと思ったり、高校で初めて授業を担当させていただいた時には、教員でもない自分が教壇に立つことにとまどったり……。そんな岐路に立つたびに、様々な人から励まされて思いとどまり、継続できた結果が今の私です。壁や困難にぶつかった時、あきらめて違う仕事に就くのもひとつの道ですが、時にはのらりくらりと続けることも大事だと思うのです。ただがむしゃらにやり切ってしまうより、まずは「続ける」ことを優先する。そこから工夫が生まれたり、新たな道が見えたりするのだと思っています。

 

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