すごいすと取材記

料理の力で社会を変えたい!
アジア人女性たちが取り戻す夢と自信

神戸アジアン食堂バルSALA 黒田尚子 さん(31) 兵庫県神戸市

ギャラリーを見る

生きづらさにも気付けない社会で暮らしたくない

 

それは大学1年生の時のこと。身近な社会問題を学ぶフィールドワークで、国際結婚などをきっかけに日本で暮らすアジア人女性たちと出会った黒田さん。そこで初めて、女性たちが日本の生活に溶け込めず、生きづらさを抱えていることを知りました。
「文字が読めないため電車を利用できず、徒歩圏内でしか生活ができない。言葉がわからなくても、尋ねる友だちも相談できる人もいない。社会問題として取り上げられないような小さな問題を、お母さんたちはたくさん抱えていました。自国でできていたことが、環境が変わっただけでできなくなるなんて、自信を無くしてしまうだろうなと感じたんです。」

そんなお母さんたちに、驚かされることがありました。「困っていることは何?」と黒田さんが尋ねても、続かなかった会話。しかし、自分たちが作ってきた母国料理のお弁当の話題になると、お母さんたちは料理のことや国のことを楽しそうに話してくれたのです。
「母国の料理を誰かにふるまったのは、私たちが初めてだったんです。お母さんたちのことを、私はこんなにも知らないのだと気付きました。こうして出会わない限り、この問題は誰にも気付かれないまま見過ごされていってしまう。そんな社会に暮らしたくないと思いました。」

黒田さんは、お母さんたちが作る母国料理を屋台で販売するイベントを計画。1カ月以上の時間をかけて準備を重ね、当日は用意した料理が完売するなど大成功。これを機に、数えきれないほどのイベントに出店したり、時にはカフェを間借りして営業を行うなどの支援活動を続けるうち、卒業後はお母さんたちと一緒に母国の家庭料理を提供する飲食店を開きたいと思い始めた黒田さん。しかし、待ち受けていたのはビジネスマンであった父の猛反対でした。

 

活動の原点となった大学時代のイベント

活動の原点となった大学時代のイベント

 

今は良き経営パートナーのお父さんと

今は良き経営パートナーのお父さんと

 

1 2 3 4

取材記の印刷用PDF

もっと詳しくふるさと情報

神戸アジアン食堂バルSALA

神戸アジアン食堂バルSALA Instagram

県の支援メニュー等

神戸県民センター

起業