すごいすと取材記

阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長黒田裕子 さん() 兵庫県

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共創社会をめざして

黒田さんの取り組みは、看護や福祉の世界だけにとどまらない。

 

阪神・淡路大震災は、社会的弱者がくらしていくための課題を、まざまざと浮き彫りにした。

しかし、課題に立ち向かった市民たちが生み出した活動は、その後の市民の参画と協働による地域づくりの萌芽となる。

 

震災で生まれた数々の支援活動。その後も市民活動として継続し、地域に欠かせないものとなったものも多くあった。ただしボランティアベースで始まった取り組みを持続させることはたやすいことではない。助成金があってもその額は年々少なくなり、活動資金に頭を悩ませる組織は多かった。

 

そこで黒田さんら震災当時の活動者たちが中心となって、「市民の手で市民のためにつくる基金」を考案。平成11年、しみん基金・KOBEが立ち上げられた。市民からの募金を、主要な財源のひとつとしているこの基金。これまで14年間で、延べ 152団体に対し、約 5,400万円を助成してきた。

 

神戸ならではのチャリティイベントも実施されている。

例えば、平成11年から毎年1月に実施している「こうべ・あいウォーク」。阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた長田区を中心に、復興の営みを紐解きながら語り部とともに歩くこのイベント。

参加者から参加費代わりに集めた募金が、基金を通じて市民活動団体へ助成される。震災からの復興の歩みを振り返りながら、今後の市民活動も応援できる仕組みとなっている。

今年の「あいウォーク」には当時のボランティアや、震災を学ぶ若い学生、遠く東北の被災地で活動する人たちも参加した。

あの震災を契機に、多くのボランティアや、心を寄せ応援してくれた人たちの思いでスタートした市民活動。今では地域のくらしに欠かせないものになった市民の手による取り組みを、今後も絶やすことなく続けていきたい。そう黒田さんは語った。

こうべ・あいウォーク

こうべ・あいウォーク。これまでの参加者は延べ8000人を超える。

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