すごいすと取材記

宇仁郷まちづくり協議会会長丸岡肇 さん(73) 兵庫県

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住む人が愛せる地域づくり

「小学校も新築され、活動自体も円熟期を迎えた。世代を超えた住民同士の絆はできた。ここからどうするか」初めは小学校を廃校から守ることだけを考えていたが、さらに地域の価値を高める活動を続けていかなければならないと丸岡さんは語る。

宇仁という地域の価値を再発見し、子どもたちや若い世代にとっても「誇りに思い、愛せるわがふるさと」にする活動を進めることで、彼らにとっても人生の拠り所となるような地域にしていきたいと、今後の展望を語る。

丸岡肇さんの横顔

平成25年度中に予定されている新校舎完成後には、使命を終える旧校地を活用するユニークな構想も立ち上がっている。

ひとつは「宇仁スクールタウン」。元はグラウンドであった土地に公的住宅を建築し、小学生の子どもを持つ世帯へ住まいを提供するというものだ。

「実際に住んでもらうには、移住後の仕事なども考えなければならず、難しいことはわかっている。しかし、難しいからといって取り組まないわけにはいかない」と丸岡さんは話す。

八王子神社

地域の氏神がまつられる八王子神社

もうひとつは旧校舎別棟の図書室を宇仁の歴史資料館とするという計画。

小学校存続運動にも象徴されるように、宇仁にも昔から暮らす住民が重んじる、地域に根付いたかけがえのない歴史があり、また歴史的価値が高いスポットも存在する。

代表的なものは地区の氏神さまがまつられる「八王子神社」。小学校を見守る高台にあり、創建970年と長い歴史を持つ神社だ。この八王子神社の表参道は、昭和34年に小学校の建て替えにより移動されたもの。今回の校舎移築で54年ぶりに当初の場所へ返還されることとなった。五穀豊穣の神様もまつられ、農業を営む人も多い宇仁地区の住民にとって心の拠り所であり、小学校と並び、地域の中心的な存在となっている。そんな神社の北、鏡山には古墳群や豊かな自然も見ることができる。

丸岡さんは、こうした地域の歴史や誇りをわかりやすく解説する資料館を作り、次世代へ語り継いでいくようなことも今後の宇仁にとっては不可欠であると考えている。

その他、宇仁地区にはゴルフ場やテニスコートといったリゾート施設もあり、訪れる観光客は年間4万人を超える。「今はゴルフ場の協力で、受付で宇仁の野菜を販売しているが、もっと観光客を地域に惹きつけられるような取り組みも行いたい」と丸岡さんは構想を膨らませる。

青野運動公苑アオノゴルフコースにて

宇仁出身のゴルフ場支配人代理とともに地域での取り組みについて話す丸岡さん

「住みにくい地域、魅力のない地域から人は出て行く。住みやすい仕組みと、住みたくなるまちを作っていくことで、まずは宇仁出身者のUターンや、近隣市住民のIターンが促される地域にしていきたい」と話す。

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