すごいすと取材記

明石のはらくらぶ代表丸谷聡子 さん(51) 兵庫県

ギャラリーを見る

自然とのふれあいから学ぶ

高校生になると、日本野鳥の会兵庫県支部設立と同時に会員となった丸谷さん。小学校での環境学習指導にボランティアスタッフとして関わることとなる。

私たち人間が自然環境を守らないと、野鳥は絶滅してしまうかもしれない。そのことを伝えていく中で、今の子どもたちが、自然の中で遊ぶ機会がほんとうに少なくなっているということに気づく。

一人でも多くの人に、自分が体験してきた自然の美しさや楽しさを知ってもらいたいという思いを深めた丸谷さんは、平成16年、兵庫県環境創造協会の助成を受け、夫と友人の3人で 明石のはらくらぶ を立ち上げた。

活動の柱の1つは、「環境体験学習の支援」。明石市内の小学校と連携した環境体験学習の授業は10年以上にわたり続けている。対象は小学3年生。熱心な学校では1年生から実施しているところもある。

自然と触れあう舞台のひとつは、ため池。実は兵庫県には、およそ4万3千箇所のため池があり、日本一多い。農業用水として活用されているが、子どもたちにとっては絶好の学びの場となる。近所のため池に繰り出した子どもたちは、ここが渡り鳥の大切な飛来地であることや、生息する水草 ガガブタの個体群が減少傾向にあることなどを知る。また、かいぼり(池干し)により水を抜いた後には、ため池に入ることもある。子どもたちは、泥んこになりながら、池の中にたくさんの生き物が暮らしていることを体感できる。

授業中の丸谷さん夫妻

夫の聡さんと一緒に教壇に立つ 明石市立花園小学校にて
聡さんは、現在、福島県庁の職員として放射性物質の除染に携わっている。

ため池で泥だらけになる子どもたち

ため池学習 明石市立高丘東小学校

環境学習体験をきっかけに、自然への関心を強く持った子どもたち。さらに自然への興味を深め、未来のリーダーとして育ってほしい。そのためには、自然体験を日常化できないか。そこで始めたのが、「放課後自然たんけん隊」だ。明石市の小学校に出向き、放課後に子どもたちと一緒に学校の敷地内に生息する動植物を観察。参加者みんなで「生き物図鑑」を作ったり、ダンゴムシを採集して観察するなどの体験を重ねている。

また、昨年秋には、地域の後押しを受けて鳥羽小学校(明石市)近くに「のはらっこ環境寺子屋」をオープンさせた。図鑑などの資料を揃え、放課後は子どもたちが自由に集まり、自然や生き物への関心を深めるための拠点となっている。

のはらっこ環境寺子屋に集まるたくさんの子どもたち

昨年9月にオープンした「のはらっこ環境寺子屋」

さらに、休日には、森や海まで足を延ばし、さらに雄大な自然をフィールドにした観察会「月イチのはらっこ自然たんけん隊」を開催。校区の枠を越えて、いろいろな地域の子どもたちが参加している。

「学校も学年も違う子どもたちが集まり、仲良くなって過ごす機会を大切にしたい」と丸谷さんは語る。

5月25日、姫路市自然観察の森に集まった隊員たちは、きらきらと目を輝かせながら新緑の園内を歩いた。耳に飛び込んでくる美しい歌声の主を探すと、キビタキが姿を現した。この日は、お目当てだったモリアオガエルの卵を見つけることもできた。

キビタキ

姫路市自然観察の森で見つけたキビタキ(自然観察の森 斉藤レンジャー撮影)

明石市立大久保南小学校6年生の松嶋梨里さんは、丸谷さん夫妻共著の図鑑『明石の野鳥』(写真・松重和太さん 明石市立文化博物館発行)を読んで隊員に加わった、熱心な丸谷さんファン。将来の夢は「丸ちゃんになりたい」だ。

丸谷さんと松嶋さん

「家や学校の周りの生き物を見つけるのが楽しい」と語る松嶋梨里さん

1 2 3 4 5