すごいすと取材記

NPO法人 関西ブラジル人コミュニティCBK松原マリナ さん(63) 兵庫県

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「おぼえる」ことが、力になる

松原さんがサポート活動の中でも「教育」を大切にし続ける理由。そのひとつが「いちばん困った時、おぼえることが力になる」と、身を持って知っていることだ。
「プロサッカーチームとの契約が終了する。」
ご主人からの報告にも、ボランティア活動をどうしても続けたかった松原さん。翻訳などの仕事を受けながら家計を支え続けた。
「漢字が読めなかったんです。当時、小学生だった娘たちが寝静まってから夜中3~4時まで、必死に勉強しました。大人が一生懸命に取り組んでいる姿を、子どもは見ているんですね。娘たちも、私の苦労している姿を見て日本語の勉強に取り組むようになりました。」
苦労した当時の体験が、今となっては家族の財産になっているという。

土曜日に開催されるポルトガル語の教室ではボランティアや留学生が教えている。

その一方で後悔もある。母国語であるポルトガル語を、長女に教えてやれなかったことだ。
「言語はアイデンティティです。日本に住んでいるからこそ、子どもに母国語を学ばせないといけません。その意識が必要だと思っています。」
自分の子どもにできなかったことを、みんなには伝えてゆきたいという松原さん。今では、高校・大学まで進んだ子どもたちが、「ここまで、できたよ」と報告にやって来る。
「在日ブラジル人たちは、大学進学のイメージをあまり持っていませんが、娘たちは進学できました。大学まで進むと自分がやりたいことが見え、選ぶことができるようになります。この道を、みんなにつくってあげたいんです。」
そんな子どもたちへの教育に関して、松原さんにはある忘れられない思い出があった。

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