すごいすと取材記

山口町自治会連合会顧問三谷弘志 さん(67) 兵庫県

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山口につながった道

発展著しい山口地域だったが、住民の日常生活面ではある問題を抱えていた。

「同じ西宮市でありながら市南部との格差が大きい。特に象徴的なのが、市中心部へ向かうための公共交通機関がなかったことです」

 

山口地域には鉄道の駅が無く、地域住民が市中心部へ向かうためには、六甲山地を越える細い峠道しかなかった。そのため長らくこの地域へはバス路線が通らず、市南部にある市役所 に向かうにも、県・市立高校に通学するにも、いったん神戸や宝塚へ迂回するほかなかった。新興住宅地の子ども達が成長するにつれて、通学経路の確保は大きな課題となっていった。

 

峠道に代わる盤滝トンネル(西宮北道路)が開通したのは平成3年のこと。バスの通行が可能になり、住民らによるバス路線開設の請願活動がスタートする。採算性の乏しさから開設は困難とされたが、住民自ら検討会を設置するなど地域を挙げて粘り強くバス路線開設を訴えた。三谷さんも自治会役員として、運行実現に向けて尽力した。そして、ようやく平成21年4月、長年の取り組みが実り、山口地域と市中心部を結ぶ「さくらやまなみバス」が開通した。

市南部から六甲山を越え、約1時間をかけてやってきたカラフルな車体が地域を走る。初めてその姿を目にしたときは、感慨もひとしおだったと三谷さんは語る。

さくらやまなみバス

有馬川沿いを走る「さくらやまなみバス」 写真提供:西宮流(にしのみやスタイル)

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