すごいすと取材記

コミュニティキッチン結良里森本淑子 さん(77) 兵庫県

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地域が集う大台所

森本さんの活動を支えるのは、かつてデイサービスで一緒にボランティアを務めていた仲間たち。今もコミュニティキッチン結良里の厨房に交代で立ってくれている。大山郷づくり協議会の各組織との連携も緊密で、結良里は地域の人々が集まりくつろげる大台所になっている。

協議会の森本事務局長によると、大山地区のコミュニティの結束が強いのは、長い歴史の中で培われた「趣法(しゅほう)の精神」という相互扶助精神が今も生きているからだという。このふるさと意識を支える価値観を共有する森本さんは、要請があれば各地の小学校などにも講演に行く。

「『とふめし』の歴史や、それがいかに安全で優れた食べ物であるかをいつもお話ししています」

また、毎年秋に開催される丹波篠山味まつりなど、さまざまな地域おこしイベントに足を運んで「とふめし」の普及やPRに努めている。各地のデパートなどで開かれる丹波フェアでもPRと販売を行う。地元大山の収穫祭では、地域の台所として、毎年500食の「とふめし」が振る舞われる。

「こういう幅広い活動ができるのも、すべて地域の仲間が力を合わせて助けてくれているおかげ。ほんとうにありがたい」

〈趣法の精神〉

藩政時代、篠山藩では、厳しい年貢と土地生産性の低さから、幕末には大山地区も貧民が多くなり、地区では苦境を乗り越えるために、共同林を設け、植林事業に着手した。後年、そこから得たお金で、学校や橋を作り地区の貧しい人を助けた。この山は、趣法山と呼ばれ、今日まで受け継がれている。趣法とは、村を立て直す事業、財政再建方法の意味であり、ふるさとを守り育てていくためには、区民一体となり、新しい取組みを積極的に導入する「趣法の精神」が今も大切に受け継がれている。

森本さんと松尾さん

仕事を終えて喫茶スペースで休憩中の森本代表(左)とスタッフの松尾さん(右)

筆で書かれた結良里の思い

喫茶スペースの額。コミュティキッチン結良里の思いが掲げられている。

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