すごいすと取材記

近畿タクシー(株)森﨑清登 さん(64) 兵庫県

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「もう一回、つくったらええやないか」

「私、震災前の自分を思い出せないんです。私の人格形成は、震災から5年後の47才から始まったと思ってます。それくらい長田の町には、お世話になってるんです。」
そう語る森崎さんが、長田のまちづくりに取組むことになったきっかけ。それは平成7年1月17日の阪神・淡路大震災にさかのぼる。震災当日、シンガポールに滞在中の知人がかけてきた一本の電話だった。
「家族や友人の様子を見て来てほしい。」
翌日森崎さんは、当時避難所になっていたJR西日本鷹取工場(*)へ出かけていった。

「向かう途中に目にしたのは、何にもなくなった町やったんです。駄菓子屋、たばこ屋、酒屋……小さい頃、よく通ってた思い出が一瞬のうちになくなってました。もう、どうしようってしゃがみ込みそうになった時、『もう一回、つくったらええやないか』ってふと思ったんです。人間って気持ちが落ちかけた時は、その反作用で上を向くんですね。思わず口に出して言ってました。『まちづくりする!』って。」
ここから森崎さんの奮闘が始まった。

*平成12年、鷹取工場の機能は網干総合車両所に移転、現在、工場跡地は住宅・公園・スポーツ施設などに整備されている

阪神淡路大震災、神戸市長田区は甚大な被害を被った。(写真提供:神戸市)

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