すごいすと取材記

お城マニア・城郭研究家本岡勇一 さん(50) 兵庫県加古郡

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城郭は地域を元気にする観光資源になる!

 

「城郭CGディレクター」。
本岡さんの名刺に書かれた肩書きのひとつだ。本職は企業向けシステムのソフトウェア開発を行う会社員。
「会社から、新規事業として好きなことをやって来いと言われ、自分の好きな城郭に関わろうと決心しました。」 そこで本岡さんは、城郭にスマホをかざすと建物を復元した3DCG(*)が現れるアプリを開発。自治体向け観光促進ソリューション(*)として、観光振興や文化財のアピールを支援する新規事業をスタートすることになった。
「まず取り組んだのが、奈良県高取町にある高取城。日本三大山城に数えられる城跡ですが、残念ながら知名度がとんでもなく低いんです。当時の姿を復元しようということで、2~3枚残っていた古写真を手掛かりに3DCGで再現しました。」
このアプリを活用したハイキングイベントに、多くの人が集まったことに関心を寄せた観光協会が中心となり、現在は地元のボランティアガイドがタブレットで当時のまちを再現しながら、観光客を山上の城跡まで案内しているという。
「城跡をきっかけに、資源がないと思っていたまちを城下町として捉え直していただくことができました。そのおかげで、まちの観光資源が生まれたんです。」
城郭は観光客を誘致し、地域おこしへ繋がる地域資源だと語る本岡さん。
「城郭とは、単なる文化財ではなく畏敬の念を持って眺める対象であり、地元の誇れる存在であると思うんです。例え城跡であっても目に見える形になることで、地元の方には張り合いになり、外部の人には城郭を見に来るきっかけになります。道路の拡張や宅地造成などで、残念ながらなくなってしまう城跡は少なくありませんが、長い年月を経て残されていることは奇跡だと思うんです。ぜひ大切に守り残していただきたい。」
そのためにまず取り組むべきことは、地元の人しか知らない城山の草を刈り、山上への道を整備することだと話す。
「ふらっと立ち寄れる環境を整えるだけで人が訪れ、外部との交流が生まれます。かつて相生市の山へ上った時、地元の方が伝承話を聞かせてくださいました。落城の際に家臣が逃がしたお姫様がふもとの村に身を潜めて以降、その集落では美人しか生まれないというお話でした。『ただし、わしの嫁はんは違うけどな』と話の落ちまであって……。こうした伝承が現代に繋がる楽しさこそ、城郭のオンリーワンの特徴として観光資源となり、地域おこしに繋がるんです。」
そして現在、本岡さんは平成31年3月から令和元年11月末まで続く明石城築城400周年記念事業に携わっている。

ソリューション(*)企業が抱える課題を解決するための情報システムやサービス
3DCG(*)縦・横・奥行きが存在する3次元空間でアニメーションを使って物体を動かすコンピュータグラフィックス

 

高取城の3DCG

高取城の3DCG

 

宍粟市のセミナーで登壇された本岡さん

「宍粟市のセミナーで登壇された本岡さん

 

 

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