すごいすと取材記

アトリエ太陽の子中嶋洋子 さん(64) 兵庫県

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人間の底力を描き出す「命の一本桜プロジェクト」

中嶋さんの活動は、いつも一過性で終わることなく、繋がっていく。
「熊本の子ども達に、震災と復興を経験した神戸の街を見て希望を持ってもらいたい」という思いから、熊本県滝尾小学校の子ども達5名と校長先生を神戸にご招待。選んだ日は、あの阪神淡路大震災が起こった1月17日だった。

熊本と神戸の子ども達で共に『命の一本桜』を制作した(平成29年1月17日阪神淡路大震災追悼行事「1.17のつどい」)

復興への思いを胸に、神戸と熊本の子ども達は一緒になって手形で満開の桜を咲かせていく。同じ空間に思いを寄せ合うことで、子ども達の間には友情が芽生えていった。
中嶋さんは、これからも活動を続けて行く中で夢がある。「東北の子ども達と熊本の子ども達とを繋いで行きたい。そしてここ神戸で、絵画を通じた子ども達の交流、そして交流の証としてのモニュメント作りや展覧会。思いは尽きません。」と熱く語った。

あの日、わずか一歩の違いで今の命がある。中嶋さんは、生かされている自分を日々思う。
「阪神淡路大震災以降に産まれた、今の子ども達。あの震災で亡くなってしまった愛しい生徒達の事をこれからも語り継ぎたい。アトリエでは小学生や中学生達と一緒に、幼稚園の子ども達にも語ります。大人が真剣になって語れば、子どもも真剣に耳を傾け、伝わります。」

「生きているってあたりまえじゃない。ありがたいこと。今あるあたりまえには、感謝の気持ちを忘れないでほしい。」
そう話す中嶋さんは、生きたかったのに生きられなかった人の悔しさや想いを、子どもたちに伝えてゆきたいと言う。
「一生懸命生きることが人生。一日、一日の積み重ねで、今のあなたができている。今日は帰ってこない。悔いのないように、今ここを真面目に生きてほしい。そして、震災・命の授業を通して、命の尊さや、人を思いやる心、優しい心を育んで欲しい。」

「いつも私は、子どもたちに『みんなは宝物よ』と伝えるんです。未来の神戸を担っていくのは、あなたたち!日本を担っていくのは、あなたたちですよ!それぐらいの気持ちで生きてほしい。」
子どもたちを太陽のように明るく強く育てたい――。アトリエ太陽の子の名前に込めた想いと共に中嶋さんは、これからも芸術の可能性を信じ、未来を担っていく子ども達に「命の尊さ」を伝え続ける。

(公開日:H29.01.25)

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