すごいすと取材記

東灘こどもカフェ中村保佑 さん(75) 兵庫県神戸市

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11人の居場所が、1万人のお茶の間になった!

 

「20 年ぶりに戻った我が家に、私の居場所はありませんでした。1 週間前にやってきた犬が、私の部屋を占拠して いたんです。」と笑う中村さん。
まずは自分が楽しむための居場所をつくろうと活動を始め、60 歳で取得した調理師免許を活かし料理教室を開催するなど、地域活動を通じて出会った11 人の仲間と共に「東灘こどもカフェ」を 立ち上げました。

「食育活動を通じて、子どもたちの夢をサポートしようと思っていました。
でも、習い事や遊びで忙しい子どもたちに代わって集まってきたのは、
“ 昔の子ども” だった高齢者のみなさんでした。」

そして中村さんは、想像していた以上に一人ぼっちの人が地域に多いことに気づきました。
夫に先立たれた女性や独身男性をはじめ、パートナーが高齢者施設に入居して一人になった、家族で過ごす時間を持てず家庭に居場所を見つけられないといった人たちでした。
地域の中に居場所があることの大切さを改めて感じた中村さん。誰もが参加しやすい環境づくりを、何よりも大切にしながら活動を続けてきました。

「誰でもいつでも、無理なく参加できる場所、それが東灘こどもカフェの活動拠点であるみんなの居場所『こもれど』です。
決め事や役割を設けず、来たい時や手が空いた時、参加したい人や手伝いたい人がちょっと立ち寄って、パソコンの入力作業をしてくれたり、お弁当の配達を手伝ってくれたり、毎日開いているバザーの店番をしてくれたりしています。
こもれどのオープン日は、一年363日。当番も決めずに運営していますので、他に人がいない時はすべて私が訪問者の対応をします。
まるで、子どもを10人抱えた母親のような忙しさです(笑)。」

「ちょっと、しんどいねん。」
そう言ってふらりと立ち寄る人には、身上を尋ねることなく聞き役に徹します。「ただ雑談を楽しまれることで、すっきりして帰っていかれます。」
こうしたつながりの緩やかさや気楽さから、認知症が疑われる人や生きづらさを抱え行き場を無くした若者など、悲喜こもごもの人生を抱えた人々も訪れるようになった「こもれど」。
今では、年間1万人以上が利用するお茶の間として存在しています。

 

子どもたちとのお菓子づくり

子どもたちとのお菓子づくり

 

平成27年12月に行われた「こどもクリスマス会」

平成27年12月に行われた「こどもクリスマス会」

 

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