すごいすと取材記

認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸 理事長中村順子 さん(68) 兵庫県

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居場所と役割のあるまちに

定年後に引きこもりがちな男性が多いことが全国的な課題になっているが、中村さんは「団塊世代が日本経済を導いてきた底力」に期待を寄せ、地域にかかわることで相互にプラスになると考えている。

昨年は生活支援・介護予防サポーター養成研修等業務を神戸市から受託。自発的でない参加者もいたが、認知症の人とかかわる実習研修後に顔つきがかわり、姿勢が前向きになった男性も少なくない。

生活支援・介護予防サポーター養成研修で講師を務める中村さん

生活支援・介護予防サポーター養成研修で講師を務める中村さん。9割近くが「居住区で、なおかつ隣近所ではない」微妙な距離感での活動を望むことも理解しマッチングしている。

「元気な65歳以上の神戸市民は33万人で、その1パーセントでも3300人。講習などを受けた人は逃さず、社会活動までつなげていきたい」と、特技やスキルなど持てる能力を引き出し、「自分には何もない」という人には「私とグループづくりをしましょう」と粘り強く対応している。一度くらい嫌がられてもあきらめてはいけないと、震災時の経験で知ったからだ。

夫の保佑さん(71)は20年の単身赴任を終えて帰ってきた後、「自分の居場所確保のために」多世代が交流できる場を地域に創った。お年寄りから子どもまで集まり、頻繁に開催される講座では「包丁研ぎ」や「さをり織」などの特技を持つ人が「先生」になる。「誰もが生徒であり先生である」人たちが集う場所のキーワードは「居場所と出場所(出番)」。自立がモットーの家庭内では活動の話はしないが、思いは中村さんと同じである。

女性が再就職するには壁の厚かった30代半ばで、現在につながる居場所を見つけた中村さん。「いきいきと長生きし、人それぞれの居場所、出番、役割をつくっていきたい」と、時に厳しく、時には寄り添うように人々の背中を押し続けていく。

六甲道勤労市民センター内に市の外郭団体と協働で開設した「生きがい活動ステーション」

六甲道勤労市民センター内に市の外郭団体と協働で開設した「生きがい活動ステーション」では、CS神戸や地域活動自体を知らない通りすがりの人を呼び込み、活動に誘うのが目的。入職12年の飛田敦子マネージャー(左)は中村さんから継承している「お客さんにしない」をモットーに、100人をマッチングした。

CS神戸で行われた新春の集い

1月8日、CS神戸で行われた新春の集いではボランティアや賛助会員、企業の人たちの前で、20周年を迎える決意を語った。もう一つ、60社以上から送られた1万5000枚のカレンダーを復興住宅に届け、事後報告を書くのが年末年始の恒例行事。

居場所と役割のあるまちに

(公開日:H28.1.25)

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