すごいすと取材記

(株)ピーナッツ 代表取締役社長野﨑未知 さん(44) 兵庫県

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自然も人もやさしいところ

野﨑未知さんが婚約者と出逢ったのは、野﨑さんが勤務していた姫路の会社に、彼が但馬から1年間の研修に来ていた時のことだった。

「結婚しようと思った相手の勤め先が朝来市であり、たまたま家が養父市にあった」と言う野崎さん。知らない土地で少し不安もあったが、但馬は「自然と人がやさしいところ」だと感じた。地域の人は当たり前と思っているけれど、風が吹いても雨が降っても嫌な匂いがしない、そんな清々しい空気の中で暮らすことが喜びと感じられた。

結婚当初は夫の両親が営む小さな衣料品店を手伝いながら、3人の子育てをしていた野崎さん。昔は大屋に鉱山があり店も繁盛していたが、鉱山が閉鎖し大型店が進出してから、商売は円滑とは言えない状態になっていた。子どもに着せたい服、自分が着たいと思う服を置くなど工夫したが、若い人が少なく、売れなかった。次第に先が見えなくなってきた。

写真:養父市の風景

結婚してから野﨑さんは、「野﨑さんの家のお嫁さん」「野﨑さんの奥さん」「○○ちゃんのお母さん」と呼ばれ、一人称で呼ばれることがなくなった。誰かのための存在であることはかけがえのない事ではあるけれど、一生をこのまま過ごして良いのだろうかと思った。

専業主婦として持ち続けた“もやもや” を解消しようと野﨑さんが動き出したのは、3人目の子どもが2歳になり、保育園に通いだした時のこと。ハローワークに行き、航空写真から地図を作る「オーシスマップ」という会社を紹介され、アルバイトを始める。当初は「お嫁さんなのに・・・」という声が聞こえてくるかもしれないと覚悟したが、家族はすんなりと送り出してくれた。仕事で遅くなるときは義母と義姉たちがサポートしてくれた。「仕事を続けられたのは、家族のおかげ」と言う。

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