すごいすと取材記

特定非営利活動法人 神戸まちづくり研究所野崎隆一 さん(76) 兵庫県神戸市

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被災マンションに学んだ生活再建の教訓

 

建て替えか、補修か。住民たちの意見が二つに分かれてしまった被災マンションの、合意形成の相談を受けた時のことだった。
それぞれが歩み寄るための話し合いの場を何度も持ち続けたが、努力の甲斐もなく議論は裁判に発展。解決に13年もの時間を要したため、長引いた仮住まいの暮らしで蓄えが無くなったり、ローンの返済が負担になるなどの理由から、戻りたくても戻れない人たちが増え、新しくなったマンションに元の住民が戻ったのはわずか2割だった。
「もともとは親しい間柄の住人たちばかりだったはずです。回り道をしてでも、そんな人たちが少人数で腹を割って話せる場を、なぜもっとたくさんつくれなかったのか。少数派の声と丁寧に向き合うプログラムをつくらなくてはいけないと学びました。自分の命や暮らしを賭けて話し合う機会なんて、めったにありません。多数決だから仕方がないという決め方は、本当の民主主義じゃない。そのことに直面したのが阪神・淡路大震災であり、その象徴が被災マンションでした。」
一世帯一世帯の人生を見なければ、再建はできないと語る野崎さん。
「家を建てることは、生きていく場をつくること。被災者にとっては、自分の人生をどう決めるのかという話です。そこに思い至らなくてはなりません。」
後悔を信念に変え、その後の被災地支援に向かっていた平成23年3月11日、東日本大震災が発生。一週間後に駆けつけた宮城県東松島市の様子を目にしたショックは大きく、神戸に帰るとただちに仲間と「3.11支援集会」の定期開催をスタート。また毎月のように東北の被災地へ通うようになった。

 

被災から1週間後の3月18日、神戸から知事に同行してバスで現地入りした野崎さんたちの目前に広がった東松島市の惨状。

被災から1週間後の3月18日、神戸から知事に同行してバスで現地入りした野崎さんたちの目前に広がった東松島市の惨状。

 

地域のまちづくりのアドバイザーとして、協力を要請。

地域のまちづくりのアドバイザーとして、協力を要請。

 

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