すごいすと取材記

特定非営利活動法人 神戸まちづくり研究所野崎隆一 さん(76) 兵庫県神戸市

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闘うが争わない

 

「闘うとは、何かを実現するために批判したり、おかしいと声を上げること。争わないとは、そんな場面においても個人的に傷つけ合い、憎しみ合うこととは一線を画すことです。どんなにケンカをしても仲直りはできます。意見が違っても、どこか共通点があるはずです。そこをちゃんと見ない限り、合意形成はあり得ません。」
なぜ相手はそう発言するのか。どうしたら相手の気持ちになれるのか。好奇心にも似た関心を持ち続けることが、合意形成を実現するポイントだと語る。
「成熟した社会をつくるために、いかに地域の住民が中心となって頑張れるか。そのために協議をしてみんなで合意形成を行い、物事を決める。決めたことへの責任は自分たちで持つ。そういう地域に変わっていかなくてはいけません。地域復興に取り組む被災地こそ、その目標に最も近いと思っています。」
楽天家でなくては、まちづくりはできないという野崎さん。
「私は世の中に取り返しのつかないことはないと思っている楽観主義者です。もうだめだと思ったら、まちづくりは終わりですから。私の仕事は、地域という曖昧な概念を相手にしているのではなく、地域に住んでいる人を相手にしています。暮らしや生業は人に付随するものです。地域を単なる場所として捉え、協定や構想をつくって終わらせることはできません。まちづくりには、終わりがないんです。」
阪神・淡路大震災から25年。震災直後、神戸の街にはまちづくりを議論する数多くの熱い場があった。そこから人が育ち、まちを再興するプロセスが生まれていった。復興からの教訓をこれからのまちづくりに伝え継ぐために、あのエネルギーが渦巻く場をもう一度つくる時が来た。野崎さんは、今改めてそう思っている。

野崎隆一さん(公開日:R1.12.25)

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