すごいすと取材記

大坪だんだんファーム(株式会社大坪営農)岡田昭男 さん(72) 兵庫県淡路市

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ほぼすべての農家が農地を託して始まった、生田大坪地区の挑戦

 

自分たちの集落が無くなってしまう!? 岡田さんが定年退職を迎えた3人の仲間と共に、集落の長老から相談を持ちかけられたのは平成23年のことでした。

「当時、集落の田んぼは農業に携わる人たちの高齢化によって、半分近くが耕作放棄地になっていました。このままでは、イノシシなどの野生動物が田んぼを荒らして農地が山林化し、集落に住めなくなってしまうと言われたんです。」
中山間地域の急傾斜地に拡がる生田大坪地区は、小さな棚田や段々畑、整備の遅れた道路・水路により、非効率な農業を行わざるを得ない地域でした。耕作放棄地を減らし農地を守るためには、大型農機具が入れる農地や道路に整備し、農作業の省力化を叶える必要があると考えた岡田さん。
ほ場整備事業を支援する国の補助金活用と農地を託した農家からの出資により、大規模な土地改良事業によるほ場整備に取り組むと同時に、集落で営農組織を結成し、みんなの力で農地を管理することを決心。
岡田さんをはじめ役員となった4人がこだわったのは、地域の農地を一軒残らず営農組織で管理することでした。

「全戸の農地を預かり、集落単位で取り組まなければ、子世代が都会に出ている農家では世代交代をすると、また耕作放棄によって農地が荒れます。
農業経営は厳しいけれど、やれるだけやってみよう。そうしなければ、農地も集落も守れないと思ったのです。
中には『放っておいてくれ』と反対する人もあり、全戸を説得するのは大変でしたが、最後は地域の農地ほぼすべてを営農組合に集積することができました。戸数が33軒と少なかったこと、農業従事者たちが高齢だったこと、作付面積が少なくほ場整備に協力的な兼業農家が多かったことが、成功の背景にありました。そして何よりも、すべての農地を託してもらおうと私たち役員が決心し、迷うことなく説得できたことがよかったと思います。」と岡田さんは振り返ります。

こうして平成24年9月、大坪営農組合が誕生。
平成29年6月には、ほ場整備工事の開始と共に株式会社大坪営農を設立。
そして令和2年2月、観光農園と農産物の直売所「大坪だんだんファーム」をオープンしました。 運営の中で岡田さんが大切にしているのは、農地を生かすこと、そのために様々な施策を迅速な決定と行動で進めること。
それらを岡田さんは「攻めの農業」と表現します。

 

淡路市生田大坪地区

淡路市生田大坪地区

 

令和2年2月にオープンした「大坪だんだんファーム」

令和2年2月にオープンした「大坪だんだんファーム」

 

ともに事業に取り組む社員と岡田さん

ともに事業に取り組む社員と岡田さん

 

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