すごいすと取材記

観光農園で地区を守れ!
集落存続危機に直面した淡路市生田大坪で
地域ぐるみの営農に取り組む岡田昭男さんの挑戦

大坪だんだんファーム(株式会社大坪営農) 岡田昭男 さん(72) 兵庫県淡路市

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お客様との触れ合いが、地元愛を育て集落を守る

 

「いちごの粒が大きくておいしかった、また来るね」
直売所に立つ岡田さんに、声をかけていくお客様たち。
そうした触れ合いこそ、集落を元気づけると感じている岡田さんは、これから農業体験に力を入れていきたいと語ります。

「農業のいいところは、人と人との触れ合いが生まれること。遊びに来るだけでなく野菜の苗を植えたり収穫したり、お客様と集落の人が農作業を一緒に行うことで、声を掛け合い言葉を交わす機会が自然と生まれます。そうしたお客様との触れ合いが、地域の元気につながると思うんです。」

そう話す岡田さんが描いている夢。
それは、高齢者が元気な集落になること。
年をとっても、誰もが集落の中で自分の役割を持つことを目指しています。

「農業体験や観光農園に来てくれるお客様に、高齢者のみなさんが『こんにちは』と挨拶が自然にできるようになっ たり、『ここを行くのが近道だよ』と道を案内したり、『あそこに行ったらきれいな花が咲いているよ』と教えてあ げたり、気楽に声を掛けられるようになってほしい。自分の住んでいる地域に関心が生まれ育ってこそ、集落を守 ることができます。
今まで集落以外の人がほとんど来なかったこの地域の中で、地域外の人と触れ合うことをきっ かけに、集落が変わっていくことを期待しています。」

大坪だんだんファームの名前には、まわりの人々と共に“ だんだん” 成長していく農場や地域になりたいという集 落みんなの想いが込められています。豊富な農作物、おいしい加工品、温かいおもてなしがあふれる集落を目指し、 岡田さんたちの新たな挑戦はまだ始まったばかりです。

 

いちご狩りを楽しむ子ども達

いちご狩りを楽しむ子ども達

 

冷凍いちごを使ったかき氷に笑顔になる来場者

冷凍いちごを使ったかき氷に笑顔になる来場者

 

岡田昭男さんの座右の銘有言実行

「集落の農地は一軒残らず、すべて営農で預かろう。」 ほ場整備と集落営農で、大坪地区の農地と集落を守 ることを決めた岡田さんたち役員は、最初に全員が そう決意し一軒一軒を説得して回りました。
「農地整備だけでなく、地すべりの防止やため池の改修、道路整備なども含めた大掛かりな事業ですから、 途中で投げ出すわけにはいきません。やるべきこと を明確にして全員で分かち合い、熱意を持って誠実 に実行していきました。」
自分たちの集落を絶対に守る。その確固たる決意と実践により、ほぼすべての農家賛同による農地 の集積が実現したのです。

 

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