すごいすと取材記

稲小地区社会福祉協議会顧問岡本忠治 さん(78) 兵庫県

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最前線のプレーヤー

岡本さんのイメージは?、地域の人からは、「火ばさみ片手に朝からしゃきしゃき歩いている」という答えが返ってくる。そのごみ拾いにはこんなエピソードがある。

ある日、見通しの悪い三叉路で、通学中の小学生が接触事故に合ったという連絡を受けた。現場を見て確かに危険だと感じた岡本さんは、翌日からその場所に立ち、朝の見守りを始める。そうした見守りを日々続ける中で、辺りにゴミが散乱していることに気づく。よしそれならと、自宅からその三叉路まで向かう道のりで、今度はごみ拾いを行うようになる。

火ばさみとゴミ袋を手に、毎朝1時間ゴミを拾う姿は誰の目にもとまる。そのうちに、周辺の銀行の支店長さんやスーパーやコンビニの店員さんもそれぞれの周辺を掃除するようになったという。ちょっと接触現場の確認しに行った日から現在に至るまで、約10年岡本さんによる見守りとごみ拾いは続いている。

木原さんと岡本さん

地区内の特別養護老人ホーム施設長の木原さん。岡本さんの話になると、皆笑顔がこぼれる

岡本さんと活動をともにする人たちは、「真っ先に動いている岡本さんを見れば、私達も動かないと」と異口同音に言う。

例えば住民ボランティア同士が交流できる機会を作りたいと考えた岡本さんが、そのための資金の足しにと、地元企業から広報誌のポスティング契約を取り付けた時のこと。

「みんなの楽しみのために仕事をとってきて、自分が1000部まくって言うんだから、じゃあ私は200部配りますってなるでしょ」と笑いながら話すのは、稲小地区社会福祉協議会の福祉部長である小林さん。

「助けあいセンターにしても、普通なら当番制で決めてやるようなことを、強制することなく進める。何より岡本さんは、スタッフがいない時がでれば、自らがフォローする心づもりでいる。その存在のおかげでみんなが自分のペースで続けることができた」と振り返る。

最前線できびきび動くプレーヤーでありながら、誰もが助けあいに関われるよう心配りも欠かさない。そんな様子が口々に語られた。

岡本さんと活動を共にする仲間たち

稲小地区社会福祉協議会の福祉部長小林さんと民生委員の田島さん。

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