すごいすと取材記

KOJI OKAMOTO DESIGN OFFICE代表・デザイナー岡本剛二 さん(37) 兵庫県

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帰ってきたい場所を自分たちで作る

岡本さんが帰ってくることを知った友人たちの中には、東京で成功して故郷に錦を飾るつもりなのかと、いぶかしく思った人もいた。しかし、岡本さんと会い、話をするうちに誤解が解け、離れていた時間が縮まった。子どもたちに「お父さんたちがこのまちを駄目にしたんだ」と言われたくないという思いを知り、共鳴したという。

保育園からの友人下田さん。

保育園からの友人下田さん。大学卒業後地元に帰ってきたが、働く場所がなく、鳥取で就職。新温泉町には、寝に帰るだけだった。「今は、香住で仕事をしているので、地元のことにも目を向けるようになった」

自分たちが大好きなまちを子どもたちにも好きになってほしい。地域の良いところを、住んでいる人たちに再認識してもらい、まちの活力を取り戻したいとアトリエを会場に、情報発信セミナーや異業種間の情報交換の機会を設けた。アトリエから交友関係が広がり、まちを元気にする取組が動き出した。

新温泉町の魅力を多くの人に知ってほしいと、中学の陸上部で一緒だった下田達也さん(36)と一緒に、町内の魅力を伝えるSNSサイト「地域を巡RUN?」の発信はその取組の1つ。ジョギングをしながら撮影した町の見所などの写真を紹介するものだ。

「車で通りすぎると見過ごしてしまうようなところを見てもらい、たくさんの人に来てもらいたい。走ってほしい」

SNSサイト「地域を巡RUN?」

SNSサイト「地域を巡RUN?」

子どものころは、田舎には何もない、魅力がないと思っていた。故郷を離れて、改めて新温泉町の良さを知ったという岡本さん。Uターン、Iターンしてきた人たちが住みやすいところにしたいと思うようになった。恵まれた自然、温泉、美味しい食材など、魅力はいっぱいあるが、働くところが少ない。

そこで、仲間とともに古民家の再生に取り組むと同時に、商工会に働く場所を紹介してもらい、移住者の生活の場を作る。さらに、地域の文化や風習、生活環境など役立つ情報を掲載したルールブックを作り、移住者が住みやすい環境を整えるなど、“まちをデザインする”ことにより、人を呼び込みたいと考えている。

「新温泉町には、ここにしかないすごいものがいっぱいある」

これから改修する家屋。

これから改修する家屋。庭の池を露天風呂にしたいと考えている。駅から500m、通りを挟んでスーパーマーケットや銀行がある。

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