すごいすと取材記

御崎ガラス舎オーナーオカモトヨシコ さん(31) 兵庫県

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会社員から転身、ガラスの世界へ

オカモトさんがガラスと出合ったのは、就職先も決まった大学4年の秋だった。何か趣味を持ちたいと多くの習い事に通い、ガラス細工の市民講座にも足を運んだ。
「ガラスは危ない、こわれやすいものと教えられてきた」と、マイナスイメージを持っていたが、熱を加えてガラスのかけらを丸くするというごく単純な作業で、溶けて赤くなる美しさと不思議さに印象を覆され、毎週通うようになった。

ステンドグラスなどの基礎講習を二巡した時、講師に吹きガラス工房を紹介され講習を受けることになった。それまでの楽しさから今度は「思い通りにならない悔しさ」が芽生え、3年半、熱心に通い続ける。その間に、休日を利用してプロのガラス作家のアシスタントを務めることもできた。

御崎ガラス舎オーナー オカモトヨシコさん

趣味で始めたガラス。
会社を辞める時点ではまだプロになるとも工房も持てるとも思っていなかった。

プロの厳しさを知って「目からウロコが落ちた」と、本格的にガラスに取り組むため会社を辞めようと決めた。父雄司さん(63)に話すと「やるからにはそれで食べていけるようになれ」と言われ、30歳までに形にならなかったら諦める覚悟をした。25歳のことだ。

雄司さんは「生業にするとは考えてもなかった。これがしたいあれがしたいという子ではなかったのが、初めて意志の強さを見せた。私も覚悟を決めて送り出した」という。

しかし、挫折はすぐに訪れる。新たなガラス工房で正社員を目指してアルバイトを始めたが、約1年で契約更新はないことが分かった。「専門の学校出身でないことが不利と感じました」。工房から最寄り駅までの15分間に電話をかけまくり、相生市が運営する「すりばち山ガラス工房」が講師を募集していることを知る。早速応募したオカモトさんは、体験教室の講師になることができた。

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