すごいすと取材記

指揮者佐渡裕 さん(53) 兵庫県

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見出し:未来を担う若者を育てる

佐渡さんは小学校の時、卒業文集に「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になる」という夢を綴った。平成23年、その夢は現実のものとなり、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会で指揮台に立つことになる。

子どもの頃の夢を実現した佐渡さんは、次世代を背負って立つ若者たちの夢を応援する活動にも熱心に取り組む。

全国トップクラスの演奏技術を持つ小学生から高校生までのメンバーによる弦楽オーケストラ「スーパーキッズ・オーケストラ(SKO)」を平成15年に設立。結成から10年以上が経ち、愛情を注いで育ててきた佐渡さん自身がファンになるほどの成長を遂げた。佐用町や東北などの災害被災地にも積極的に足を運び、演奏活動を続けている。

また、平成17年には、35歳以下の若手演奏家を国内外から集めて編成した芸文センターの専属オーケストラ「兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオケ)」を設立。アカデミー機能も有するこの管弦楽団は、佐渡さんの熱心な指導により、卒業後にヨーロッパやアメリカなど世界の舞台で活躍するメンバーもいる。佐渡さんは、「経験を積んでそれぞれが世界へ巣立ち、また戻ってきて欲しい」と語る。

想像力や創造力の源泉は、子どもの頃の原体験にあると語る佐渡さん。若い人たちに多くの経験を積む大切さと、一歩を踏み出す勇気をもって欲しいと願い、活動を続けている。

写真:海岸沿いの公園での演奏

東日本大震災の被災地で演奏するスーパーキッズ・オーケストラのメンバー

芸文センターでは、県内の中学1年生を対象とした学校行事「わくわくオーケストラ教室」を開催している。平成18年のスタート以来、毎年5万人の生徒たちが大ホールでPACオケの演奏に耳を傾け、その迫力や本物の音楽との出会いに感動し、目を輝かせる。生のオーケストラ演奏を初めて聴く生徒も多く、中学生という感受性の高い時期に、劇場に来て生の音楽を楽しむことは、子どもたちにとって貴重な経験となっている。

写真:舞台上に子どもたち用に解説用のモニタが設置されている

写真:ホール内は中学生で一杯

わくわくオーケストラ教室。PACオケの演奏に聴き入る生徒たち
(芸文センター・KOBELCO大ホール)

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