すごいすと取材記

たつの市で、オーダーメイドの整形医療靴を作る。
想いに応えるおしゃれな一足で、
心豊かな生き方をかなえる菅野ミキさんの“一歩”

靴工房「&MIKI(アンドミキ)」代表・義肢装具士 菅野ミキ さん(33) 兵庫県たつの市

ギャラリーを見る

「人の役に立つ仕事がしたい!」 選んだ進路は義肢装具士

 

高校生だった菅野さんは、卒業後の進路に悩んでいました。興味のあったファッションやメイクの美容学校を見学したものの、学んだ後の未来の姿を想像することができなかったのです。やけどや傷の痕などをカバーするメイクの仕事にも興味を持ちましたが、関係者から「人生経験の豊かさが求められる職業」と説明を受け、「10代の自分にはまだ無理」と断念せざるを得ませんでした。

「私は自分のために、何かをしようとしても続かないんです。でも人のために動くことは楽しくて、相手の喜ぶ顔が継続の原動力になります。一生続けられる仕事に就きたいと思っていたので、誰かの役に立てると実感できる仕事が、自分には合っていると思っていました。」
ちょうどその頃、ドイツで靴づくりの修行をしていた兄が帰国。「福祉の仕事に興味があるのなら、身体補装具(*)を作る義肢装具士という職業はどうか」とアドバイスを受けたことをきっかけに、医療福祉の専門学校へ進学しました。

入学後に初めて参加した実習で、義肢装具士・菅野ミキとしての原点につながった出会いがありました。
「生まれつき両手のない5歳くらいの男の子が、生まれて初めて義手を装着し、衣服の着脱や物をつかむ訓練をしていたんです。『自分でできた!』『コップがつかめた!』と、とても喜んでいる姿に感動すると同時に、私には当たり前にできることが、実はとても恵まれていることだったのだと衝撃を受けました。健康な体だからこそ、自分にできることは何だろうと考える、大きなきっかけになったんです。」
「今の私の店には、長い間足に障がいを抱えながら、整形医療靴を履いた経験のない方も数多く訪れます。
『&MIKIさんのような店があったなんて』と衝撃を受けられたり、『もっと早く知っていればよかった』と感動してくださる姿は、初めての実習の日の私と重なります。だから私の原点として、今でもあの時の気持ちを忘れないよう、大切にしているんです。」と菅野さんは当時を振り返ります。

 

*身体補装具:身体障がい者等が装着することにより、失われた身体の一部、あるいは機能を補完するもの。

 

義肢装具の製造販売を行う企業で、義肢装具士として働いていた菅野さん

義肢装具の製造販売を行う企業で、義肢装具士として働いていた菅野さん

 

修行していたオーダーメイドの工房の展示会

修行していたオーダーメイドの工房の展示会

 

1 2 3 4 5

取材記の印刷用PDF

もっと詳しくふるさと情報

&MIKI

&MIKI Instagram

県の支援メニュー等

起業

西播磨県民局