すごいすと取材記

たつの市で、オーダーメイドの整形医療靴を作る。
想いに応えるおしゃれな一足で、
心豊かな生き方をかなえる菅野ミキさんの“一歩”

靴工房「&MIKI(アンドミキ)」代表・義肢装具士 菅野ミキ さん(33) 兵庫県たつの市

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機能性とデザイン性を満たした整形医療靴を作ろう

 

専門学校を卒業後、菅野さんは義肢装具の製造販売を行う企業の営業部へ入社。義肢装具士として、大学病院などの担当を務めました。ある時、菅野さんは10代女性の補装具を担当することになりました。
「思春期を迎えた年代の女の子たちは、多感でおしゃれへの関心も高まる時期。補装具を制服の下に装着して登校しなくてはならないのですが、体にとってどんなに必要だと伝えても、『こんな機械のような補装具を、友だちに見られたくない』と言って、身につけるのを嫌がるんです。機能性だけでなく、見た目も重要であることを感じました。」
同様に、整形医療靴において見た目の重要性を感じていました。
「様々な装具の中でも、靴は唯一ファッションの一部になるものです。患者様自身も、自分の足のトラブルには特殊な靴が必要だと理解されていても、市販の靴と整形靴のデザインを比較してしまわれがちです。当時は納品したものの『実は履いていないんだ』と言われたこともありました。」
デザインだけでなく、実は靴に使用する素材や仕様も豊富なことや、それらの選び方で履き心地も変化することを実家の靴工房で知った菅野さん。「整形靴にも様々な選択肢を取り入れられたら良いのではないか。」と思ったと言います。

「機能性とデザイン性を両立させた整形医療靴を作ろう。」 そう決心した菅野さんは、平成26年、勤めていた会社を退職。オーダーメイドの高級靴工房を開いていた兄のもとで、靴づくりを学び始めました。
整形医療靴の製作に取り組み始めた頃、近くの病院から、小児麻痺で左右の足の形が全く異なる患者の方へ製作依頼がありました。患者の方が歩きやすく、また左右のサイズ差がわからないように靴を仕上げると、その方は「初めて両足とも、自分の足にぴったり合った靴を履けた」と大変喜ばれました。しかし処方した医師に適合確認を行ってもらった際、医師から思いもよらない言葉があり、菅野さんは整形医療靴にデザイン性を加味する限界を知ったのです。
「『こんなに見た目良く靴を作ったら、足に障がいを抱えていることがわからない。これは整形医療靴じゃない』と言われました。整形医療靴としての機能は同じでも、見た目にこだわったことで、ファッションを目的とする靴としてとらえられ、処方が取り消されてしまったんです。機能性だけでなくデザイン性を求めたい人、私に作って欲しいと言ってくれる人のために整形医療靴を作ろうと思いました。」

改めて靴づくりへの想いを固めた菅野さんは、整形医療靴のことをもっと広く伝えたいと、大阪市で開催された女性起業家のビジネスプランコンテストに出場。ファイナリストに選ばれ、多くの観衆の前でビジネスプランを発表し、整形医療靴の存在を知らせることができました。同時に、ビジネスとしての有用性も実感。平成28年、足にやさしくおしゃれな整形医療靴の手づくり工房「&MIKI」を立ち上げたのです。

 

&MIKIの店内、製作した整形医療靴がディスプレイされている

&MIKIの店内、製作した整形医療靴がディスプレイされている

 

整形医療靴を製作する菅野さん

整形医療靴を製作する菅野さん

 

脚長差を補正した婦人靴

脚長差を補正した婦人靴

 

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