すごいすと取材記

合唱指導者鈴木史朗 さん(85) 兵庫県

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心身の健康を願って

 現在、学校での教え子や保護者の多くが、鈴木さんと「高齢者仲間」となり合唱を楽しんでいる。「病院、居酒屋、市内のどこに行っても会ってしまうので困る」と、鈴木さんはうれしそうに話す。

 来年創立35年を迎えるコーラスサークル「ステラコール」は、毎月2回、西部公民館で鈴木さんの合唱指導を受ける。男女約40名、平均年齢70歳弱。那波中学校コーラス部出身の内海加代子さん(65)は、「迷っていましたが、鈴木先生がいらっしゃるので」と、今春入会を決心し、「中学時代を思い出す」と鈴木さんの弾くピアノに声を合わす。

 3年ほど前ステラコールは、大雨被害に遭った佐用町立幕山小学校を慰問し、鈴木さんが作曲した校歌を合唱した。犠牲になった当時1年生の児童の祖父の涙に鈴木さんの胸も熱くなった。

ステラコール代表の本田早苗さん

時には厳しく、時には「入れ歯と虫歯が見えないように」と笑わせ、
合唱祭を前に指導をする鈴木さん。ステラコール代表の本田早苗さんは「娘時代にもどれる時間」という。

ステラコールの最高齢86歳の竹内弘憲さん(前列右から2番め)

ステラコールの最高齢86歳の竹内弘憲さん(前列右から2番め)は定年後に合唱を始めた。
約10人の男性陣も低音を響かせる。

 鈴木さんはこのほか、高齢者大学や施設でのボランティアも継続している。特別養護老人施設グリーンハウスには20年間、毎月A3用紙3枚に約20曲の歌詞を手書きして持参する。歌わずに座って聴いているだけの人もいるが、よく見ると足でリズムをとっていたり、涙ぐんでいたりする。近くの施設の知的障害のある人も参加しており「気持ちがおだやかになる」「直後の昼食はふだんより食が進む」と、職員も笑顔で話す。

特別養護老人ホーム「グリーンハウス」

特別養護老人ホーム「グリーンハウス」では毎月1時間半、手書きの歌詞を見ながら、
鈴木さんのピアノ演奏に合わせて歌を楽しむ。近くの施設からも集まり多い時で100人近くになる。

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