すごいすと取材記

明延鉱山ガイドクラブ、NPO法人一円電車あけのべ 正垣智子 さん(55) 兵庫県養父市

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明延に出会えた縁を地域活動の糧(かて)にして

 

明延には鉱山とともに、地区の象徴として大切にされてきた地域資源があります。一円電車です。

「鉱山が活気づいていた当時の明延では、地域の人々の生活に無くてはならないものでした。一円電車は明延の元気の素なんです。」

「もう一度一円電車を走らせることで、明延地区を盛り立てよう。」

そんな願いのもと、明延地区の区長をはじめとする地域づくりのメンバーたちが中心となり、平成18年から一円電車の保存・活用活動がスタート。
平成24年にはNPO法人一円電車あけのべが設立され、正垣さんも理事の一人として参加しています。

「こうした活動を続けることで、最近では年間4,000人もの見学者が明延地区に足を運んでくださるようになりました。それをきっかけに、住民の方々にも変化が生まれています。この地域にはお客様が食事をする店がないため、明延のお母さんたちがうどんやおそば、おにぎりなどの提供を始めました。すると、地元の80代の方々が声を掛け合い、一緒に食事を楽しみに出て来られるようになったんです。こうして少しずつでも地域外の人たちを迎え入れて交流し、地域の歴史を受け継ぎ風化させないことが、集落の存続にもつながると思っています。」

その一方で、なぜこんなに深く関わることができるのか、考えることもあると言います。

「誰かのために働くことが好きだから? いろいろな人に出会うことで成長できると思えるから? 私が関わること で明延が活気づくから? 自分でも不思議に思います」と話す正垣さん。
実は明延地区との繋がりは、鉱山見学のずっと以前にさかのぼります。

「私の母は、中学校を卒業した昭和28 年頃から、明延のお店に住み込みで働いていたんです。
鉱山の最盛期でまち がにぎわっていた様子など、当時の貴重な写真と共に私にもいろいろ話してくれていました。
ある時、一円電車の イベントで、鉱山が活気づいていた頃の写真展を開くことになったんですが、その頃の写真がなかなか見つからな かったんです。その時にふと母とのやりとりを思い出し、当時の写真を提供することができました。」

鉱山を見学するきっかけがあったこと、活動に参加できる環境にあったことも含め、すべてが今につながっている と感じると言う正垣さん。

「明延と私のご縁は、母がつないでくれていたのかな、そのご縁に導かれて明延に関わっているのかなと思うことが あります。人と出会い、人と触れ合い、人に助けられ、時には人を助けながら活動を続けていることが、とにかく 楽しいんです。自分の活動が、少しでも地域を元気にしているのかなと思うと頑張れます。」

「人のお世話ができるのは幸せなこと」
そう言ってボランティア活動を後押ししてくれる母の想いを胸に、正垣さんは明延のまちと共に歩き続けます。

 

一円電車の体験乗車会

一円電車の体験乗車会

 

一円電車の軌道延長作業

一円電車の軌道延長作業

 

座右の銘(公開日:R2.09.11)

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