すごいすと取材記

NPO法人ゲートキーパー支援センター 理事長竹内志津香 さん(55) 兵庫県

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草の根レベルで少しずつ広がる活動

竹内さんの周りには、思いに共鳴して一緒に活動する仲間が集う。心理カウンセラーや臨床心理士といった心の問題を扱う専門家はもちろん、この問題に関心を寄せる会社員や主婦など、さまざまな立場の人たちがボランティアとして活動をサポートし、講師も務める。

設立当初は自主開催がほとんどだった講座も、口コミや紹介で地域の多様な団体から依頼を受けるようになった。自治体職員や薬剤師、司法書士、裁判所執行官、傾聴ボランティア、介護施設のスタッフなど、人と接することが多い分野の団体から依頼を受けることが多い。

写真:多彩な色でデザインされたそろばん

最初の自主講座では30人以上もの参加者があった。
その多くが活動の趣旨に賛同し、今も支援センターをサポートする。

昨年、ある美容師グループから依頼を受けて講座を開いたことがあった。

同じお客さんに定期的に接することの多い美容師は、相手の状態の変化に気がつきやすい職業だ。ただ、悩んでいることがわかっていても、具体的にどう声掛けすればいいのかわからず、その対処方法を学びたいという依頼だった。

その講座で、なじみのお客さんに自慢のロングヘアをばっさり切るよう頼まれた美容師の話を聞いた。末期がんの治療のためで、その日が最後の来院になるということもわかり、その後は何も話すことができなくなったという。

「参加された美容師さんたちは、実習では、話の聴き方が非常に上手く驚きました。受講を通じてこの素晴らしい資質に少しの知識を加えてもらい、地域の中のゲートキーパーとしてぜひ活躍してもらいたいです」

新しい場所で講座を開くたびに、自分たちの活動が多くの人たちから必要とされていることを実感する。また、地道に回を重ねることで、活動の認知度も確実に高まってきている。

2年前、ひっそりとはじめたゲートキーパーの活動が草の根レベルで少しずつ広がりを見せていることに、竹内さんは確かな感触を得ている。

写真:講習参加者たちとの記念写真

美容師のグループからの依頼で開いた講座の参加者たちと。

写真:食事中の風景

会食しながらスタッフらと意見交換。講座の円滑な運営も、活動を支えるスタッフの協力があってこそ。

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