すごいすと取材記

生田地域活性協議会 事務局長田村伊久男 さん(67) 兵庫県

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住民全員で地域活性化に取り組む

しかし、いざ水車を復元しようとすると、資金調達が困難なことに気づいた。取りかかる順番を変更して、まずは景観整備事業から始めることにした。「島内のよその地域にはない花畑をつくりたくて、素朴なそばの花がこの景色にしっくり合うと思いました」と田村さんは振り返る。

地域住民に協力を求めたが、田村さんより年輩の人から「昔から生田地域は何をやろうとしてもまとまらない地域だ」と諦めたように言われたこともあった。田村さんたちは一人ひとりの声に真摯に耳を傾け、時間をかけて説得した。時に声を荒げて議論したこともあったが、最後には承諾を得られた。今では約2ヘクタールのそば畑を約140世帯で共同で世話をしている。

9年前から始めたそば花の栽培は毎年秋に満開になる。いまや生田地域の秋の風物詩にもなり、満開の時期に合わせて「そば花まつり」も開催。地域が盛り上がりを見せるようになった。

そば花は単に美しく心を和ませてくれるだけでなかった。標高約200mの生田地域では、昼夜の寒暖差も手伝って、思いのほか美味しいそばの実を収穫することができた。

イベントの屋台でふるまったそばの評判がよかったこともあり、田村さんは安定した生産量の確保を視野に入れ、地域のコミュニティづくりの場ともなるそば処開業を構想する。

まずは、そば花畑を一緒に管理している住民に打診して、運営に参加したい人たちを募り、メンバーを集めた。また、出店場所を探している最中に、廃園となった生田保育所を市から借り受けることができた。それと同時にそば打ち技術を修得するため、プロにみっちりと指導を受けた。「やるからには本物でないとね」と田村さんは言う。

そうして平成23年、「そばカフェ生田村」がオープンした。

写真:そば花は10月上旬〜11月下旬に見ごろを迎える

そば花は10月上旬〜11月下旬に見ごろを迎える

そば畑に種をまくのも地域のみんなで一緒に行う

そば畑に種をまくのも地域のみんなで一緒に行う

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