すごいすと取材記

えんゆう株式会社上田隆久 さん(36) 兵庫県

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二足のわらじを経て

かたや、現在の上田さんは「かこがわコットンプロジェクト」の事業推進担当者というもうひとつの顔も持つ。

「これはもともとは地元の兵庫県靴下工業組合の方と知り合いだったことから始まったものだったのですが」と上田さんは笑いながら話す。神戸市内でイナカフェの運営も続ける一方で、兵庫県靴下工業組合とのつながりから今度は地元の加古川市でのコットンにまつわる事業へも活動の場が広がってきている。

このプロジェクトは、もとは加古川市の『地域ひとづくり事業』の一環として、加古川の地場産業である靴下産業をもとに、原料からこの土地のものとしての綿花を栽培しそれを使ってプロダクトを作ることで加古川の雇用も生み出せれば、という構想からスタートしたものだった。地域雇用の活性化・耕作放棄地ゼロ・地域資源の活用という3つの領域にわたるプロジェクトを取りまとめるよい人材がいないものか、と兵庫県靴下工業組合が探していたところに「ひょうごイナカフェ」での運営実績があった上田さんの名前が挙がり、調整役としての資質は誰の目にも確かに映っていたところで声がかかった。

当初は、まだカフェの運営も探りながらの時期だった。無理のない範囲でお手伝い程度ならさせていただきますと言っていたが、気づけば兵庫県靴下工業組合の契約社員の立場にもなり、加古川の農家さんへの「綿作りをしてもらえませんか」という呼びかけにも奔走することに。加古川市の『地域ひとづくり事業』としては2年の期間で終了することになっていたが、こちらもイナカフェ同様、続けていける仕組みをつくることが重要だと上田さんは感じていた。なぜなら、コットンプロジェクトの肝である綿花の栽培をスタートすることや綿の生産加工はたったの2年ではまだまだよちよち歩きの状態。なんとか続ける方法を探った結果、上田さんは『ふるさと名物支援事業』という国の補助金を確保することに成功した。この補助金は、加古川市の観光スポットを始めとする「地域資源」を登録することで、商品開発やビジネスの計画に対して補助が出る、というもの。すでに加古川市として「靴下」は登録してあったそうだが、「綿花」はまだ登録がなかった。けれどもそれまでの2年の「かこがわコットンプロジェクト」の実績から「地域資源」として登録に成功。加古川市の応援宣言もあって国からの補助を受けるに至った。

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