すごいすと取材記

株式会社ささ営農八木正邦 さん(69) 兵庫県たつの市

ギャラリーを見る

商品は“農業”! 株式会社の誕生

 

早朝5時。株式会社ささ営農の一日は、まだ朝露が光るバジルの摘み取りから始まる。
「6月から9月前半までは、バジルの生産・加工の最盛期です。手で摘み取ったバジルを、新鮮なままペーストに仕上げます。露地栽培ならではの風味の豊かさが自慢です。」
そう語るのは八木正邦さん。たつの市をバジル産地に育てた立役者だ。

 

バジルの露地栽培。香りをしっかり残すために露地栽培にこだわる。

バジルの露地栽培。香りをしっかり残すために露地栽培にこだわる。

 

平成8年当時、八木さんが暮らす笹野地区は農地存続の危機を迎えようとしていた。
「農業者の高齢化と後継者不足で、所有者が農地を管理できなくなっていました。どうしたら放棄田にすることなく管理ができるのか何度も話し合いを重ね、ほ場整備(*)を行って営農組織(*)を立ち上げ、地域で力を合わせて農地管理をしようということになりました。」
こうして平成14年、八木さんを組合長に32ヘクタールの面積と82名の組合員を抱える、ささ営農組合を設立。しかし、農地管理の担い手の中心が高齢者であることに変わりはない。当時、会社に勤めていた八木さんは、出社前や退社後の時間も、休日さえも組合のために費やす生活を送ることになった。
そんな状況に「農業は株式会社で行う時代」という兵庫県農業会議からのアドバイスもあり、「法人化が必要だ」と考えた八木さん。所有と経営の分離ができる株式会社なら、地域全員の同意を必要とする営農組合より意思決定が迅速に行えると判断。平成18年7月、組合長を務めていた八木さんが代表取締役に就任し、ささ営農組合は株式会社ささ営農として新たなスタートを切ることになった。

 

*ほ場整備:水田や畑の区画を整理し、農道や用・排水路の整備などを行なうことで、農地の基盤を整える土地改良。

*営農組織:集落単位で農家が各自の農地を持ち寄り、共同で農機具を所有したり、農作業を行ったりする組織。

 

「はさがけ米」は全く農薬を使わず昔ながらの製法で栽培。「ひょうご安心ブランド農産物」に認定されている。

「はさがけ米」は全く農薬を使わず昔ながらの製法で栽培。「ひょうご安心ブランド農産物」に認定されている。

 

1 2 3 4 5 6