すごいすと取材記

NPO法人淡路島アートセンターやまぐちくにこ さん(43) 兵庫県

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戦前からある空き家でアート!

大きな転機となったのが平成16年の台風23号。復旧作業を手伝うやまぐちさんのもとに一本の電話があった。
曽祖父名義の家が土砂崩れで大きな被害を受けているとの知らせだった。数百万円をかけて解体・撤去するか、それとも自力で片づけるか。ふってわいたような話に、迷ったやまぐちさんだったが、結局戦前から建つ古い空き家を相続することにした。

その頃、やまぐちさんは市の嘱託職員として洲本市民工房で教室やギャラリーを企画運営していた。

「税金を使ってアートを、ということは難しい面もある。現代アートって『わかりにくい』と受け取られがち。そんなもの、なんでわざわざするの、と言われる」。アートを通じて島の問題を形にして見せたかったというやまぐちさん。「市の施設で難しいなら、自力でなんとかできないかなというのがずっとあったんですよ」。

空き家の話はそんな思いを抱いている中、持ち上がったものでもあった。
「これや! このタイミングだと思って。修復作業から何かが生まれるはず」と空き家を使ったアートプロジェクトの企画を思い立つ。こうして開始されたのが、島内外のアーティストが集まって修復作業を行う「空き家リノベーションプロジェクト」だった。

空き家を片づけ、数ヶ月かけて修復する。しかし、ただ修復するだけなくアーティストがそれぞれの解釈や感性を、思い思いに織り込んでいく創造的な作業だ。壊れた空き家は自由な表現の場となった。

「でもいろんな人が出入りするのに、地域の人に警戒されても良くないし、よしNPOを設立しようと思って」

有志を募り、平成17年、NPO法人淡路島アートセンターが立ち上がる。

空き家は「日の出亭」と名付けられ、現在に至るまで淡路島アートセンターの拠点のひとつとなっている。

日の出亭の前景

日の出亭 – やまぐちさんデザインの家紋つきのれんが揺れる

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