すごいすと取材記

多可町中央公民館 播州歌舞伎クラブ 代表山根加織 さん(33) 兵庫県

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役者・クラブ代表・指導者の1人3役を担う

9歳で初舞台を踏み、播州歌舞伎とともに過ごしてきた山根さんは、「多可町中央公民館 播州歌舞伎クラブ」に加入後も稽古に夢中になっていた。

しかし、進路を決める時期になると、高校3年生のメンバーたちは徐々に稽古場から遠のいていき、山根さんもその例外ではなかった。そして、高校卒業後は進学のために岡山市へ移り住むことになり、はっきりとした区切りをつけないまま播州歌舞伎から離れてしまった。

岡山市での3年間の勉強を終えて地元で就職した山根さんは、ふと思い立って多可町中央公民館に立ち寄った。そこで、偶然にも中村和歌若師匠と再会した。師匠は山根さんの腕をつかみ、かつて一緒に稽古した「多可町中央公民館 播州歌舞伎クラブ」のみんなの前にひょいと突き出した。思いがけず再会した師匠と仲間を前にして、空白の時間は瞬時に解消した。これを機に山根さんはクラブに再加入し、小学生のころよりも一層、播州歌舞伎の稽古に精進した。

1年程経ったある日、山根さんはクラブ事務局から代表指名の打診を受けた。「私を指名した理由はわかりませんが、他の社会人メンバーよりも出席率が良かったからかもしれません」と当時のことを楽しそうに山根さんは話す。

そのときはまだ、代表としてクラブをまとめていくこと、指導者として伝承することへのプレッシャーを感じていなかった。むしろ、役者としてだけでなくさまざまな角度から播州歌舞伎に携われることが、山根さんの好奇心をくすぐった。そして、山根さんはさらなる播州歌舞伎の道へと進むことになる。

写真:多可町中央公民館 播州歌舞伎クラブの十八番「一ノ谷嫩軍記〜熊谷陣屋の段〜」

多可町中央公民館 播州歌舞伎クラブの十八番「一ノ谷嫩軍記〜熊谷陣屋の段〜」

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