すごいすと取材記

NPO法人生涯学習サポート兵庫 理事長山崎清治 さん(42) 兵庫県

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無人島での自給自足生活

平成19年に始まったチャレンジアイランドは、子どもたちが無人島で、携帯電話や時計は持ち込み禁止、米と水以外の食材も現地調達という自給自足生活をするもの。起床・就寝や食事時間などのルールは何もない。グループで話し合いながら魚とりやマキ拾いに悪戦苦闘し、それぞれの役割を考え居場所を見つけだす。

チャレンジアイランドの事前研修。

チャレンジアイランドの事前研修。
心肺蘇生法の訓練など、大人も子どもも何日もかけて徹底的に行う。

無人島なのは「逃げ場がないから」。自然の中で誰のせいにもできない子どもたちは、自由と過酷の間で「生きること」に向かい合う。

非常食としてニワトリをつれていくが、最後まで生き残っていることが多い。食べるか食べないか、最後は子どもたちが決める。なかなか話が進まないが、そのうちお腹が鳴りはじめる。「お腹がすくという体験。これが大事なんです」と山崎さんは強調する。子どもたちの中から意を決した言葉が出始める。

「持ってきたからには食べる責任がある」

「食べるなら残さず食べないと責任とれない」

それを聞いていた男の子が「残さず食べても責任はとれないと思う。責任をとるということは、食べたぼくたちがこれからも元気に生き続けることだと思う」と言った。一番熱心にニワトリの世話をしていた子だった。その子は食事前に「ありがとう。いただきます」と鶏肉に語りかけていた。

無人島一週間自給自足生活挑戦(チャレンジアイランド)

事後に開催する研修で次の目標を聞くと「ごはんを作ってくれるおかあさんにありがとうと言う」「サッカーの練習をがんばる」と言う子どもたち。「生きる力は火をおこしたり魚をとる力ではなく結果に見えないもの」と考える山崎さんは、なにげない日常の目標を口にする姿を見て喜ぶ。「また参加したい」より「今年はバスケの大会で優勝したいから行かない」という言葉が誇らしげに聞こえるという。

6歳と2歳の息子を持つ山崎さん。我が子を無人島に送り込めるかとの問いに「私がいなかったら参加させるけれど。もし一緒にいたら、きっと魚をとってあげて料理してあげて、骨もとって身をほぐしてしまいます」と目尻を下げながら答え、大学時代に勘当を言い渡した父に思いをはせた。

「送り出す保護者もまた、家で待ちながらともに挑戦しているのです」

仕事の合い間に子どもたちのお迎え。

仕事の合い間に子どもたちのお迎え。
事務所裏にある保育園は、全国から集まる生涯学習サポート兵庫の新人講師(あそびクリエイター)がパフォーマンスをする場でもある。

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