すごいすと取材記

吉田利栄 さん(87) 兵庫県朝来市

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竹田城跡だけじゃない、第二の名所づくりを目指して

いい風景を探し求める吉田さんの目に留まったのは、朝来市から福知山市にかけて広がる夜久野(やくの)高原だった。
「市が管理している高原の一部を花公園にしたいと思い、協力を求めることからスタートしました。竹田城跡に観光客が集中するのは早朝です。昼間も人が集まり、朝来市で一日過ごしてもらえる観光スポットを作れば朝来市の発展につながると、各方面に交渉し理解を取り付けたかったんです。」
自身が会長を務める和田山写真クラブのメンバーと共に、原野のような土地の開拓から取り組み始めた。
「見渡す限りなだらかな起伏が続く丘にある、およそ6.4ヘクタールの畑に一年目はコスモスを咲かせました。内陸部であるにもかかわらず、太陽が地平線から昇り地平線に沈むんです。早朝には霧も出ます。聞いただけでは信じない人が多いんですが、一度見ると本当だったと感動してもらえるはずです。」
その後もひまわりやソバ、ネギ、黒豆など、様々な花や野菜を育ててきた。猛暑の夏に一人で作業をしていたら、近所の農家の人たちが手伝いに出てくれるようになった。
「この市有地の中の幹線道路の両側に、メインの桜のトンネルを作るため2月中には植樹が完了します。地元の集落が管理する藤の花の公園や、隣町である夜久野町のまちづくりグループとも協力して、景観をもっと活かした花の公園を作りたい。過疎化が進む朝来市へ、人を呼べるのは観光です。夜久野高原は、景色を活かすことで北海道の美瑛にも似た、素晴らしい観光地にできると思っています。」
そのために、近隣の自治体やまちづくりグループの協力を仰ごうと、夜久野高原のイメージビデオを自ら制作。「朝来市の見どころは、竹田城跡だけではないことを伝えるために、奮闘しています」と笑う。
70年間の風景撮影を通して地元を知り尽くしてきた吉田さんが、ファインダー越しに捉えていたもの。それは、目に映るままの風景だけではなかった。

吉田さん達が育てたコスモス畑が一面に広がる(夜久野高原)

吉田さん達が育てたコスモス畑が一面に広がる(夜久野高原)

 

和田山写真クラブのメンバーが撮影した竹田城跡や夜久野高原など朝来市で撮影された美しい写真が並ぶ(道の駅まほろば)

和田山写真クラブのメンバーが撮影した竹田城跡や夜久野高原など朝来市で撮影された美しい写真が並ぶ(道の駅まほろば)

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